Quantcast
Channel: 馬医者残日録
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1690

帯広畜産大学 産業動物臨床施設見学

$
0
0

休みの日に、紅葉まっさかりの峠を越えて、十勝までドライヴ。

帯広畜産大学の産業動物臨床施設群を見学してきた。

オープンの時もお披露目の案内状をもらったのだけど、”えらいさん”達とピカピカの施設を観ることには興味がなかった。

私は臨床家だ。

どのように使われているのか、どのように使えるのかを観たい。

                           -

私には35年前の記憶があるので、「ここには何があったんだっけ?」とつい昔を思い出してしまう。

                               -

階段教室。

学生たちに牛や馬を見せながら講義ができるようになっている。

(ホントに患畜を入れて診せながら?講義したことはないらしい)

これは難産介助の練習をさせるための牛の模型。

本物の牛の10倍以上の値段がする;笑

私が学生の頃も、直腸検査を練習させるための牛の模型が置いてあった。

壊れていたし、誰も使っていなかったけど。

馬もある。

ちゃんと妊娠子宮が作ってあって、中に子馬が入っていた。

                            -

倒馬室。スイングドアもある。

そこから手術室とCT室へホイストで運べる。

CTを撮ってから手術するなら、途中でホイストを架け替える。

                             -

手術室。

隣の階段教室から見下ろせるようになっているし、無影灯の横についたCCDカメラで撮影して手術室内や階段教室のモニターで映すことができる。

録画したヴィデオはこれからe-learning用のライブラリーになっていくそうだ。

                             -

枠場。

CT。

このドーナツがスライドして撮影するので、馬はしっかり固定しておけば良い。

撮影は1分ほどで終わる。

MRI。

この部屋は、磁石にくっつく金属は入れられない。

                         -

牛用の枠場は幅を変えられるようになっていた。

牛用手術台。

子牛を載せるならこうだし、成牛を載せるなら同じ台を横に連結して載せるのだそうだ。

それはとても面白い。

                        -

入院厩舎。

入院馬房。

                        -

病理解剖室。

大動物もガンガンやれるゼっていう部屋なのは素晴らしい。

                       ---

すごい施設だ。

よく考えられて設計され、造られている。

私は、海外も含めてあちこちの馬診療施設も観てきた。

Davis california, Gainsville Florida, Oklahoma S.U., Hong-Kong Jocky club, そして日本のあちこち。

そのどこより最新鋭だろう。

大型Xrayや核シンチはなくても大きな問題ではないと思う。

未来を見せてもらったような気になった。

うまく使ってもらいたいものだ。教育にも、研究にも、臨床にも。

                        -

あちこちにラウンジがあり、学生達の部屋もあり、生活空間として快適に造られているのにも感心した。

しかし、土曜日、学生達はひとりもいなかった・・・・

                       ---

質量分析による細菌同定の方法を見せてもらって、

おいしいジンギスカンを楽しく食べて帰ってきた。

                                          /////////////

次の日、

朝、繁殖雌馬が第一趾骨を亀裂骨折している、との連絡。

調教、競走している馬によく見られる縦骨折ではなく前後割れ、だとのこと。

第一指骨・指骨は複雑な割れ方をすることがある。

”CTを使え”、とRichardson教授はおっしゃった。

できることならCTを撮ってから手術したいね~;笑

そんなことで天皇賞秋は観られず。

キタサンブラック、おめでとう!!

 

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1690

Trending Articles