当歳馬が尺骨を骨折した。
当歳馬と言っても、もう300kgある。
転倒して、牧柵の下に入り込んだのだそうだ。
そのあと跛行するようになり、X線撮影で尺骨骨折が確認された。
しかし、変位がひどくないので様子を見ていた。
よくなりかけたが、また跛行が悪化し、X線撮影しなおしたら骨折線が開いてきていた。
発症18日目に手術することになった。
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骨折線は肘関節にはぎりぎり入っていない。
すでに骨増勢が起こっている。
コンプレッションホールを使って、コンプレッションをかけたが、
テンションデヴァイスは使わなかった。
もう発症から3週間近く経っているので、骨折線を閉じさせるのは無理だと考えたからだ。
そして、コンプレッションをかけても骨折線はまったくよらなかった。
プレート固定も一人でやるしかない。
遠位側に5.5mmスクリューを3本、尺骨頭側に3本。
300kgの馬の上腕三頭筋は強力で、その牽引に耐えなければならないので5.5mmスクリューを使った。
一番遠位は、30mmより短い5.5mmは用意していないので、4.5mmスクリューの26mmを入れた。
骨折線の近位のスクリューは、4.5mmを骨折線を貫くように入れた。
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LCP/LHS(Locking Compression Plate / Locking Head Screw)も用意していたのだが、使わなかった。
高いし、プレートの位置が決まると、スクリューの方向が決まってしまうので、薄い尺骨からはみ出しやすいことを嫌った。
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立派な角をした雄鹿だな。