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Channel: 馬医者残日録
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デスメ瘤だった

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深い角膜潰瘍があったが、抗生物質と自家血清をきっちり点眼して治療していた2歳馬。

眼球が小さくなったように見える、とのことで来院。

もちろん病変部はフルオロセインで染まる。しかし、前眼房へ染まってはいかない。

前眼房は眼房水で膨らんでいるし、虹彩は膨隆していないし、眼の痛みはひどくない。

角膜の病巣は深そうだが、melting は起こしていないし、分離された細菌も抗生物質で対応できるもので、感染はコントロールされているはずだ。

ただ、ごく小さい黒い点がある。

異物が刺さっているようにも見えた。

全身麻酔して角膜を触ってみることにした。そして・・・・

黒い点はデスメ膜だった。

デスメ膜とは角膜の内層で、角膜穿孔する前に突出してくることがある。

膨らんだデスメ膜はデスメ瘤と呼ばれる。

危険な徴候で、角膜を保護する外科的な処置が必要であることが多い。

羊膜と結膜フラップを行った。

                          /////////////////

暖かくなって、雨混じりの雪が降った。

朝にはそれが凍り、そのうえにうっすら雪が乗って凍っているのが見えず、とても危ない。

タヌキが歩いてきて、氷の上で滑って転んだ痕。

馬も転んで骨盤骨折しなければ良いが・・・・・

 


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