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Channel: 馬医者残日録
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高齢馬の分娩後の疝痛は子宮動脈破裂を疑う必要がある

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午前中、飛節OCDの関節鏡手術。

その最中に分娩直後からの疝痛の依頼。

18歳だと言う。

「子宮動脈破裂なんじゃないの?」

               -

来院したら、口粘膜は貧血+++。

心拍60、呼吸数54。

超音波で腹腔に血腫か血餅らしきものが見えた。

PCV36%、乳酸16mmol/l。

やはり子宮動脈破裂だ。

持続点滴するか、膠質輸液するか、考えるが、いずれにしてももう助からないだろう。

輸送すべきじゃなかった。

               -

午後も、飛節OCDの関節鏡手術。

それが終わって育成牧場へ喉の集団検診をさせてもらいに行った。

その最中、難産の連絡。

集団検診を終えて、戻ったら枠場で難産整復中。

球節が硬く屈曲変形しているようだ。腕節も伸びないので難産になったのだろう。

放牧地でお産を見つけてからすでに2時間以上経っている。

遅れていた頭を直してひっぱったら子馬は生きていた。

ヒップロックしたのか男4人でひっぱっても出てこない。

あとはひっぱるしかない。

なんとか引っ張り出した子馬はもう死んでいた。

やはり前肢の腱拘縮だ。背中も曲がっていた。

生きて生まれても安楽殺するしかない。

                    -

無事に生まれて、健康に育って、元気に調教されている2歳馬たちの影には多くのリスクがある。

                 ///////////

オラがレトリーヴ(回収)してきたものは、おやつと引き換えです

 

 

 


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