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Channel: 馬医者残日録
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春まだ浅く

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きのうは、北海道獣医師会産業動物部会で札幌。

北海道の大動物診療は、獣医師を雇いたいのに応募が足りない事態になっている。

待遇改善も必要だろうし、獣医科大学へ物申す必要もあるだろうし、

何よりわれわれ当事者が楽しく仕事をして、それを若い人たちに伝えていかないといけない。

                -

午前中、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。

そのあと13歳の黒毛和種繁殖雌牛が、子宮頚管が開いてきたのに分娩が進まない、と来院。

発熱歴があり、元気食欲なし。胎仔は生きている。

PG投与して、翌日帝王切開することになった。

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1週間前に開腹手術した10歳の繁殖雌馬の術創が開いてきたので来院するという。

しかし、来る途中で術創は大きく開いて死んでしまった。

この馬の予後には私は懸念を持っていた。

やはり結腸骨盤曲の粘膜は壊死していた。

腸間膜根部からつながる動脈の内壁は横シワと、

縦シワがあった。

術創はもう1週間になるというのに癒合していなかったように見えた。

monocrylは1週間は抗張力はもたない。

術後の経過は悪くなかったようなのだが・・・・

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午後、飛節OCDの関節鏡手術。

午前中に来た黒毛繁殖雌牛が破水したので帝王切開のために再来院。

腹膜炎があり、子宮の周りでひどく、子牛は引っ張り出してすぐ死んでしまったそうだ。

子宮損傷で分娩が進まなかったのかもしれない。

親牛も予後は厳しいだろう。

                -

私はもう一人の獣医さんと、子馬の細菌性関節炎の関節洗浄をしていた。

生後19日齢。

その日に跛行と飛節の腫脹で初診された子馬なのだが、X線撮影で脛骨内果に吸収像がある。

骨髄炎だろう。

関節洗浄して、抗生物質を全身投与して、経過が思わしくなければ関節鏡で病巣のデブリドが必要になるだろう。

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春はこんなものか?

いやまだまだ。

入院厩舎があふれかえるのよ;笑

 

 

 

 


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