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Channel: 馬医者残日録
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結腸便秘の経鼻電解質液による治療

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輸送後の競走馬の疝痛。

前日の午後に疝痛。

翌朝も疝痛で、硫酸ナトリウムを500g投与したとのこと。

昼過ぎに来院。

フルニキシンが効いているのかそれほど痛くない。

血液もひどく悪くはない。

直腸検査では、便秘した大結腸に触れるが、ガチガチに硬くはないし、それほどひどい膨満でもない。

細い経鼻カテーテルを留置して、電解質液20リットルを流し込む。

が、それが終わるころから痛みが増した。

腹囲も左右ともに膨満し、前搔きし、寝たり起きたりを繰り返す。

もう一度直腸検査すると、大結腸の固形内容は触らなくなり、ガスで膨満している。

結腸の変位がないか超音波で検査するが確信は得られない。

胃は液体で膨満している。

さて・・・・・・・・・

曳き運動を20分してもらうが、便もガスも出る様子がない。

胃カテーテルを入れるといくらかガスと液体が抜けたが、逆流というほどではない。

すこし肛門からガスが出た。

                     -

結局、その後、痛みは徐々に和らいだ。

朝には腹囲もかなり小さくなった。

しかし、便はあまり出ない。

水は午前中だけで10リットル以上飲んだ。

午後になって直腸検査ではまだ大結腸に内容が残っていた。

それで、また経鼻で電解質液を10リットル投与した。

直腸内に乾燥気味の便がかなり来ていたので、これで便秘は解消するだろう。

明日も直腸検査をして便秘の解消を確認してもらうように指示して退院とする。

                  ---

下剤投与より電解質投与の方が、体にダメージを与えず、安く早く便秘を治療できるかもしれない。

                      /////////

オラがワンッて吠えて、

それで交感神経が緊張して、その反動で蠕動が出て、それで、それで便秘がなおったんだゾ


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