朝、事務所で雑務をしていたら、外傷馬が来ると言う。
当歳馬の前肢球節の裂創。
立位で縫合できた。
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午前中、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。
そのあと繁殖雌馬の疝痛の依頼。
牧場では鎮静剤も投与できなかった、と言う1歳馬の毛球症切開も来るが・・・・併行してやる。
疝痛馬は来院したら、立っていられない。PCV46%、乳酸5.8mmol/l。
開腹したら結腸捻転だった。結腸の色はかなり悪い。
結腸を引き出し、捻転を整復しようとするが膨満がひどくてできない。
骨盤曲を切開して内容を棄てたら、なんとか前回り360°の捻転を整復できた。
漿膜面からの色調はかなり回復したが完全ではない。
筋層や粘膜・粘膜下織が赤黒いのだ。
骨盤曲切開部の粘膜はアズキ色。
「ダメかな?」
と思ったが、colopexyもして閉腹することにした。
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午後も予定が詰まっている。
次の予定は当歳馬の骨折プレート固定だ。
先延ばしはできない。
そのあとは1年前に顔面陥没骨折をプレート固定した馬のプレート摘出手術だ。
化膿したので抜かなければならない。
急患で一度延期してもらっている。
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当歳馬の第二中手骨骨折は、スモール1/3円プレートに4.0mmキャンセラススクリューを入れて固定した。
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2歳馬の顔面のプレート抜去はminimally invasive techniqueで。
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さて、一番たいへんな手術はどれだったでしょう?
結腸捻転 1時間15分。
第二中手骨プレート固定 1時間
顔面プレート除去 2時間
最後になったこともあり、顔からプレートを抜くのが一番たいへんだった。
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結腸捻転の馬は術後も活力があり、歩き回っていた。
翌朝も状態は悪くない。
発症からの時間が早かったのが奏功したようだ。
もちろん手術だって手早くやって結腸の血行をできるだけ早く回復させてやった方が良い。
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もう6月末というのに忙しい。
1日5-6頭の予定を組んでいて、そこへ骨折や疝痛の急患が割り込んでくる。
自分の獣医学的能力をフル動員して馬の治療に当たれることは楽しいことだ。