骨折プレート固定、結腸捻転、プレート抜去
朝、事務所で雑務をしていたら、外傷馬が来ると言う。 当歳馬の前肢球節の裂創。 立位で縫合できた。 - 午前中、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。 そのあと繁殖雌馬の疝痛の依頼。 牧場では鎮静剤も投与できなかった、と言う1歳馬の毛球症切開も来るが・・・・併行してやる。 疝痛馬は来院したら、立っていられない。PCV46%、乳酸5.8mmol/l。...
View Article2.5ヶ月齢の橈骨骨折 double LCP
夕方、放牧地で当歳馬が橈骨骨折している、との連絡。 もうX線撮影したりしているより、すぐに運んでもらったほうが良い。 橈骨骨折ではキャスト固定するのは無理だ。 ロバートジョーンズバンデージを巻いて、肩甲骨の部分まで伸ばした添え木を付けて運ぶよう答える。 - 来院したら、人が抱えて立って入るが歩けない。 外で全身麻酔して、リヤカーに乗せて倒馬室へ運びこむ。...
View ArticleW杯中の日曜日。
日曜日、午前中、1歳の飛節OCDの関節鏡手術。 鼻が鳴る当歳馬の内視鏡検査。 当歳馬の喉の膿瘍の切開。 昼は、海沿いのレストランで辛いカレー。 午後は、2歳馬の去勢。捻転式去勢棒で。 当歳馬の飛節の細菌性関節炎。 1歳馬の頚椎症の腰痿のX線撮影。 1歳馬の腱の超音波検査。 宝塚記念、後半だけ観た。17年ぶりG1勝利。おめでとう。...
View Articleあてえび
競走馬の業界では、浅屈腱炎、いわゆる「えび」は非常に警戒される。 治す方法がない業病だからだろう。 強い調教や競走をしないとまず起こることはないのだが、”あてえび”という俗称も流通している。 ぶつけて”エビ”になった、という意味らしい。 ときどき、浅屈腱炎が起こる部分の超音波検査を依頼される。 ぶつけて腫れているのだけど、腱が何ともないか観て欲しい・・・・・ -...
View ArticleTHO 14頭目
11歳の繁殖雌馬。 1ヶ月くらい前から腰フラ様症状だったそうだ。 そのうち頭が傾き、耳が傾き、左眼が閉じれなくなり、鼻と唇の左側が麻痺してきた。 腰フラ様症状が先に出たので、頭や頚を傷めてそうなった可能性もあるか、と考えて一度来院してもらった。 喉嚢内視鏡検査で、側頭骨舌骨関節が大きいのが確認された。 X線画像で舌骨も変形していて、側頭骨舌骨関節から側頭骨が骨増勢していた。 側頭骨舌骨関節症...
View Article上も下も
2歳馬がウォーキングマシーンの中で暴れて、切歯骨を折ってしまった。 上も下も。 馬の左より2本の切歯骨が開いてしまっている。 中央左よりの切歯201・301も浮いている。 うちでは全身麻酔してしまったほうが、早く、きれいに、固定できる。 オトガイ孔と眼窩下孔での神経ブロックも併用する。 歯根部に汚れが入っていたので、鋭匙で搔き出し、生理食塩液で洗う。 歯槽に切歯をはめるのが少し難しかった。...
View Article飛節の外側の傷、そして飛節の穿刺はどこを刺すか
子馬の飛節の外側のくぼんだ部分には皮膚に傷があることが多い。 凹んでいる部分にどうして傷ができるのか、いっけん擦れる部分ではないように思うが・・・ 実は、飛節を屈曲させて伏臥しているときや、立ち上がるときは距骨外側滑車や脛骨外果に押し出されて床と擦れる部位だ。 - 飛節は細菌性関節炎を起こしやすい関節で、関節洗浄することも多い。...
View Article繁殖雌馬の膀胱結石
2年ほど前から、排尿の異常があった、という繁殖雌馬。 膀胱結石のようだ、ということで、来院。 膣に手を入れてみたら、一触瞭然。 尿道口の向こうに、塊状の膀胱を触知し、膀胱の中で石が動くのがわかる。 - 膣底を切開し、膀胱を結石ごと膣内へ逸脱させる。 切開して結石を取り出し、stay suture をかけたところ。...
View Article陰嚢ヘルニア
2歳馬が疝痛、との連絡。 来院したら陰嚢が腫れている。 牧場ではそんなに腫れていなかったそうだ。 いわゆる”脱腸”、鼠径ヘルニアから陰嚢ヘルニアになっている。 陰嚢に入っているのは小腸だろう。 グニュグニュと蠕動しているのが見える。 開腹手術して逸脱した腸管をひっぱり戻して・・・・ 陰嚢は切開して去勢して、鼠径は縫って閉じる。 鼠径部を切開した方が、鼠径輪は縫いやすいかもしれない。...
View Article中手骨疲労骨折のスクリュー固定
3歳競走馬。 球節のすぐ近位に骨増勢と骨疲労による亀裂骨折が見つかった、と競馬場の先生から連絡を受けていた。 骨折してからも調教・競走を続けていたらしく、骨増勢が起きているが、亀裂はまだはっきりと見える。 「スクリュー固定して骨癒合を待つのがベスト」と答えた。 馬がよほどうるさくなければ立位で手術できる。 鎮静して、神経ブロックして、リドカインのRegional Limb Perfusion...
View Article休み明け
長い休みが終わって、土曜日から復帰。 臍ヘルニアとか、その他いろいろ。 日曜日は、顔面陥没骨折が治った子馬のプレート除去とか、その他いろいろ。 月曜日は、2歳馬の結腸左背側変位の開腹手術とか、その他いろいろ。 休みをとって東北を旅行して来た。 天気はあいにくだったが、いろいろ思うこともあったし、立ち止まることができたように感じる。 -...
View ArticleChifney bit チフニー:便利あるいは危ない?
何度かチフニーばみによる舌の裂傷や口腔内の損傷を診てきた。 海外でも同じことは起きているようで、ネット上の記事になっているので紹介したい。 The Chifney bit: useful or dangerous? チフニーばみ:役立つ、あるいは危険か? Horse&Hound 曳くのに苦労する馬のためにデザインされたチフニービットは、間違った使い方をするときつ過ぎるというのが定評である。...
View Article牛のキャストに綿包帯は要らない
牛の骨折内固定の講習に呼ばれると、キャストの巻き方についても質問が出る。 私は、牛のキャストは、 ストッキネットを2重。 綿包帯は要らない。(巻いてはいけない) 球節、副蹄部、キャストトップだけにエバウールシート(外科用フェルト)を当てる。 グラスファイバーキャスト材を転がすように巻く。 固まる前にモールディングする。 蹄尖まで覆うように巻く。 ように答えている。 -...
View Article牛のキャスト固定の対象は?
Clinics of North America のBovine Orthopedics からもう少し。 Selection of the Patients 患畜の選択 肢にキャストしようとする前に骨折した動物を注意深く検査すべきだ。 直角となる2方向(背-掌/底方向と外-内方向)のX線撮影で骨折の性状を調べる。...
View Articleキャストは肢先まで巻く
牛の骨折のキャスト固定について、続き。 大動物の骨折をキャストで不動化するときには、いくつかの基本原則を厳格に尊重すべきだ。 蹄はかならずキャストで覆う。 キャストの近位部は骨の近位部で終わる。 <腕節の途中までキャストを巻いたり、橈骨の遠位部でキャストが終わっていたりしてはいけない、という意味だろう。 当たり前のようだが、大腿骨の遠位部までしか巻かないキャストはしばしば見かける。>...
View Article装蹄師会見学と講義
きのうは、装蹄師会の生徒のみなさんが生産地研修の一箇所として来訪。 施設をお見せして、業務を紹介したあと、1時間ほどの講義。 装蹄師さんは、1年間みっちり馬の蹄について勉強して基本を身につける。 もちろん実習もある。 そして、競馬場、生産地、乗馬の世界などそれぞれ希望する業界へ就職する。 獣医師は、馬の蹄についても大きな権限を持っているのだが、さて、装蹄師さんたちと伍していける知識を持っているか?...
View Article結腸切除しても助けられない結腸捻転
日曜日、午前中は2歳馬の喉頭形成・声帯切除の予定。 そこへ、1歳馬の外傷の依頼。 肘部の皮膚の裂創で、大怪我ではない。 「喉の手術が昼ちかくまでかかるし、午後は骨折の手術予定が入っているので、そっちでやれば?」 と訊くが、馬が凶暴で縫合できなかった、とのこと。 喉の手術の麻酔覚醒を待つ間になんとか縫合できるかと来院時刻を指定した。 -...
View ArticleOCD、小腸捻転、披裂喉頭蓋ヒダ・声帯切除、PIPjointSBCscrewFix
朝、1歳馬の大腿骨外側滑車と膝蓋骨のOCDの関節鏡手術。 その前に繁殖雌馬の疝痛の依頼が入ったが、関節鏡手術の馬が先に来たので強行する。 疝痛の繁殖雌馬は来院時PCV37%。 関節鏡手術が終わって開腹することになった。 有茎脂肪腫が巻きついたことからの空腸捻転だった。 2時から2歳馬の披裂喉頭蓋ヒダと声帯の切除。 プロポフォールで麻酔して、覚醒室で喉頭切開してlaserで切除。...
View Article骨折Day
朝、2歳馬の腕節骨折の関節鏡手術。 その最中に、急患で当歳馬の上腕骨骨折。 手術できるか?と思ったが、大きなfragmentがあったのであきらめた。 その後、予定していた当歳馬の跛行診断。 前肢を前へ引張っても、後に引張っても、横へ開いても、上へ押し上げても痛くない。 肩、肘の触診でも痛くない。 肢元かと思って球節、腕節、と撮影してきて・・・・尺骨骨折が見つかった。 あっれ~?...
View Article跛行やら骨折やら腱炎やら
今日は土曜日。 朝、繁殖雌馬の”肩”跛行。 昼は血液検査。 2時から6歳競走馬の両前球節の骨片摘出、関節鏡手術。 続いて、9歳競走馬の浅屈腱炎の超音波検査。種子骨にも異常があるのでX線撮影も。 夕方、当歳馬の眼球打撲。 合間、私はメールでの対応に追われた。 症例相談いっぱい。 - 今日は涼しかった。 -...
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