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Channel: 馬医者残日録
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眼瞼、耳周囲、頬、などのEquine Sarcoid

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きのうは、

6ヶ月前に中足骨骨折をLCP固定した当歳馬のプレート除去。

黒毛和種子牛の肋骨骨折による気管狭窄の診断。後日手術する。

午後は、

1歳馬の大腿骨軟骨下嚢胞状病変 Subchondral Cystic Lesione のX線診断。後日手術する。

5歳競走馬の腕節の変形性関節症 Degenerative Joint Disease の関節鏡手術。

やれやれ、診療は忙しさが続いている。

                 -

これは先日来院した15歳繁殖雌馬の眼瞼の腫瘍。

依頼の話では、扁平上皮癌 SCC ? と思ったが、診たら馬類肉腫 Equine Sarcoid で間違いないだろう、とほぼ確信できた。

SCCはその名のとおり上皮性で瞬膜にできることが多く、たまに眼結膜などからも発生する。

この馬は眼瞼の皮下にできている。(結節型)

おまけに、耳の付け根にもEquine Sarcoid の特徴的な病変がある。(疣贅型)

頬の病変もSarcoid だ。(不顕性型)

Equine Sarcoid は牛パピローマウィルスによって引き起こされる、とされている。

外科的に切除や摘出をおこなっても、再発する率がひじょうに高い。

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瞼の結節は、もう眼瞼結膜を破りそうだ。

そうなると角膜が傷つき始めるだろうから、もう放置はできない。

しかし、マージンをとった完全な摘出はできそうにないので、瞼の結節をできるだけ摘出して、それを凍結して頚側皮下に埋め込む免疫療法をすることにした。

                 -

立位でできなくはない。

5mm角に切った腫瘍塊を、凍結し、融解させてから頚側皮下に埋め込んだ。

                ---

この方法は日本では1例だけみごとな成功が報告されている;笑

この免疫療法は3-4ヶ月後に効果を現す。

期待して待ちたい。

              ////////////////

9月10日夕方、小雨が降って寒かったので薪ストーヴ初焚き。

さすがにちょっと早すぎたかも;笑

              

 

 


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