競走馬の腕節骨折の関節鏡手術。
橈骨遠位内側の骨折だが、尺側手根骨にも骨片がある。
珍しい箇所の骨折なのだが、最新の本には記述がある。
-
手術台に乗せてから、しげしげと手根間関節を触ると関節液のわずかな増量があった。
手根間関節に針を刺して膨らませると、掌側外側もはっきり膨らんだ。
これも通常の症例ではあまり見られない。
-
尺側手根骨の骨体の遠位部は、なんと背外側からもアプローチできることがあるらしい。
やってみた。
が、この症例では損傷部位らしき箇所を観ることはできなかった。
それで、掌側外側からスコープを入れなおした。
-
病変らしい部分は、尺側手根骨に靭帯質の関節包が付着している部位。
周囲に出血の痕などはなかったが、発症から日にちが経っているためかもしれない。
あるいは、骨折は新しいものではなく、本当に古いものなのかもしれない。
関節包の中から掘り起こすように骨片を摘出し、
Xrayで骨片が消えたのを確認した。
-
今度は、橈骨手根骨関節に背側からアプローチ。
いつもやっているように、橈骨遠位関節面の内側の辺縁の骨片を剥がして摘出した。
ー
夜、入院している牧場から、「フルニキシンを投与しても痛かったので、鎮静剤を投与してもらったけど、また痛い」
との電話。
誰にうってもらったのだろう?と思いながら、
「すぐ行きます。」と答えたら、
「ちがうんです。牧場でほかの馬がはらいたしてるんです。」
そうですか、じゃあすぐ来て下さい。
ー
まだ宵の口なので、他の当番獣医師も呼ぶ。
来てみたら案の定結腸捻転だった。
終わって、10時半。
ー
1時半に起こされる。
難産。とのこと。
来院したが、もう馬運車の中で立てない。
ほかの当番獣医師も呼ぶ。
ホイールローダーで運びこむしかないし、運び込んで麻酔して難産介助するしかない。
が、死んでしまった。
ひどい腹腔内出血を起こしていた。
終わって3時半。
ー
朝6時から2頭いる入院馬の治療をしていたら、当歳馬の疝痛の依頼。
超音波でみると小腸の完全膨満像がいくつも見えた。
2週齢の当歳馬なのでX線撮影も有効だ。
ひどく膨満している。
ほかの当番獣医師も呼ぶ。もう起きているだろう。
案の定、親の糞塊を飲み込んだことによる空腸閉塞と、それによる根部捻転だった。
ー
夜中に、先生はいつ寝てるんですか、と訊かれたので・・
こんな感じです;笑
あ~3月の開腹手術頭数は26頭でした。
たぶん4月は30頭を超えるでしょう。
///////
朝はまだ寒い。
体が寒さに慣れているし、日中気温が上がるし、夜明けが早いので感じないが、実は11月よりも寒い。
とうちゃんとぬくぬく