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Channel: 馬医者残日録
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Madigan Loop Rope

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午前中、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。昼は、血液検査業務。64件だった。血清分離にも時間がかかる。手術室では、競走馬の腕節の関節鏡手術と、腕節滑液嚢の外骨症 exostosis のチェックと、去勢。         ー夕方、難産の依頼。1時半から分娩が始まって、頭も前肢も来ていなかったのを、頭と片方の前肢を直したけど、後肢の蹄も来ていて・・・とのこと。来院してすぐ全身麻酔した。帝王切開も考えていたが、なんとか出せそうなので、引っ張り出した。         ー全身麻酔してからは、1時間足らずで娩出させられたのだが、もう4時間ほど苦悶した母馬。目は覚めて、前肢は立とうとするが、後肢を伸ばしたまま犬座姿勢になった。後躯を上げられそうにない。それで、Madigan先生に教わったLoop Rope による起立介助を行った。うまく行った!ホームセンターで売っている(ネットで探した方がサイズがそろっているけど)荷揚げ用のループスリングを2本使った。もう2本使うと、前躯も持ち上げることができる。カリフォルニア大学獣医学部の内科学教授がこれを教えてくれたのだから、馬の臨床って奥が深く、経験と工夫が必要なんだよね。         //////////闘いすんで日が暮れて。颶風の王 - 馬医者修行日記文庫本になって本屋に並んでいたので・・・颶風の王(角川文庫)河崎秋子KADOKAWA颶風とは強く激しい風のことだそうだ。雪崩に馬と埋められて、互いの血をすすり毛をかじり、肉をくらって生き延びた母。気のふれた母を置いて、北海道に渡った息子。祖父に馬の扱いを教えられたその孫娘。孫娘は、孤島に置き去りになった馬を気にする老女となり、その孫娘は・・・なんと”十勝”畜産大学の学生になっている。-東北から北海道へ続く、人と馬との生活の歴史。かつてはいくつもあちこちにあったのだろうと思う。馬という人ともっとも密接に生きてきた動物への思いと歴史を感じさせてくれる小説。-最後のパートは、ユルリ島の馬がモデルになっているのだろう。オヨバヌトコロに居る馬達も、維持されるようだ。ーーーひどく風が強い。これから年末年始にかけて冷え込んで...颶風の王
颶風の王 - 馬医者修行日記颶風の王 - 馬医者修行日記

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