その子馬は胎盤炎で、2週間早く生まれてしまった。
生まれて半日は元気で、起立し、親から哺乳できたが、そのあと立てなくなり、foal squeezeにも反応せず、夜中じゅう暴れたらしい。
翌朝、運ばれてきた。
で、鎮静剤を投与したが、あまり効果がない。
頸静脈カテーテルを留置して輸液を開始する。
膀胱破裂を予防するために尿道カテーテルを留置する。
子馬はすでに暴れて目の周りを腫らし、擦りむいてもいた。
鎮静剤を投与しても暴れるので、牧場の人は馬房でつきっきり。
母馬は・・・・・あの有名馬のおかあさんなのだが、危ない馬。
耳を倒して、咬みに来る。
後肢は削蹄できない馬だそうだ。
子馬は持続点滴にジアゼパム(精神安定剤)を混ぜたがそれでも暴れる。
夜中は、牧場の人にシリンジを渡して、必要な時にはポートから投与するよう指示した。
でないと、目も離せない。トイレにもいけない。
ー
翌日、子馬の状態は安定していて、寝たまま指を強く吸える。
吸いたくて、あちこち吸い付いてくる。
哺乳ビンでミルクを飲ませたら、3時間ほどおとなしく寝た。
立つ気になったタイミングで介助してやるとなんとか立てるようになったので、
子馬は一度立つと今度は自力で寝れない。
胸を締め付けて寝かせた。
これがfoal squeeze の基本作用。
さらに翌日、子馬は自力で起立できるようになり、母馬も鎮静剤を投与しなくても乳を飲ませるので、退院とした。
//////////////
今日は、午前中1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。
当歳馬の皮下膿瘍のデブリドと洗浄。
2歳馬の去勢。
当歳馬の鼻骨陥没骨折のプレート固定の予定だったが、状態が良いので中止した。
明日もプレート固定の予定が入っている。