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Channel: 馬医者残日録
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黒毛和種雄子牛の臍帯膿瘍

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9時に関節鏡手術。腕節骨折、それも左右両側。

10時半に腰痿のX線撮影。

併行して当歳馬の眼の検査。

その最中、黒毛和牛の子宮捻転の依頼。

午後も3頭、手術の予定が入っている・・・・・・「イイや、すぐ連れて来て」

                -

子宮頚管が開いていて、子牛の頭、前肢が触れたので捻って整復できた。

そのあと少し手間取ったが、経膣分娩させることができた。

子牛は胎便まみれ。

低酸素になると、子宮内で胎便をちびってしまう。

胎便の混ざった羊水を誤嚥すると肺にダメージがある。

拭いているのは、実習生のOさん。

                   -

午後の手術は、

当歳馬の肢軸異常、球節内反。

4歳競走馬の去勢。

そして、

50日齢の黒毛雄子牛の臍の膿瘍。

抗生物質を投与していると小さくなるが、止めるとまた大きくなってきた、とのこと。

気管挿管して、吸入麻酔下で臍帯を破らないように切除・摘出した。

雄牛はペニスが臍に近いのでちょっと難しい。

おまけに、尿膜管や臍動脈、臍静脈がつながっていないか、慎重に切除しなければならない。

膿瘍を破ったら、腹腔が汚染される。

破らず、取り出せた。

ぴよんとついているのは臍静脈。

腫れているがふつうの見た目になった。

膿瘍は切開して、内部の膿を細菌培養しておく。

抗生物質感受性を知ることで、術後の抗生物質選択の指標になる。

                    /////////////

今年は、昆虫にも好ましい天候が続いているようだ。

手術室でもハエ叩きをしなければならない。

シラカバの若葉を食べるコガネムシ。

根を食べる幼虫の被害はもっと大きいらしい。

こんなのまで。

 

 

 


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