子牛の脛骨螺旋状骨折 ピースあり のプレート除去
5週間前に脛骨螺旋状骨折 ピースあり をdouble DCP 固定した黒毛和種雄子牛。 経過は良好で、プレートを抜くことにして来院した。 Daily Gain (1日増体量)は良好。 近年はセリでもDGがよろしくないと値段が落ちるのだそうだ。 キャスト固定して寝起きが不自由だったりするとDGは落ちるだろう。 - 外貌上、肢の変形はない。跛行もない。いたって元気。...
View Article黒毛和種雄子牛の臍帯膿瘍
9時に関節鏡手術。腕節骨折、それも左右両側。 10時半に腰痿のX線撮影。 併行して当歳馬の眼の検査。 その最中、黒毛和牛の子宮捻転の依頼。 午後も3頭、手術の予定が入っている・・・・・・「イイや、すぐ連れて来て」 - 子宮頚管が開いていて、子牛の頭、前肢が触れたので捻って整復できた。 そのあと少し手間取ったが、経膣分娩させることができた。 子牛は胎便まみれ。...
View Article1歳馬の骨盤骨折後の跛行
冬に後肢の跛行をしていた1歳馬。 かなり良くなったが、跛行が続くのでX線撮影に来た。 右の臀部は少し筋萎縮している。 もっと萎縮していたのが、かなり戻ってきたのだろう。 全身麻酔して仰臥位で大型X線撮影した。 完璧な仰臥で撮影できていることは、恥骨結合と脊柱の棘突起が重なっていることでわかる。 閉鎖孔の大きさが、右が小さく写っている。骨盤の右半分が変形したのだ。...
View Article高齢馬の血栓栓塞性腸管壊死
疝痛で運ばれてきた24歳。 サラブレッドではない。 長く乳母として働いてきたハフリンガー。 右前下肢は内反して固まっている。 血液検査ではPCVは30代。しかし、乳酸値が5を超えている。 超音波検査では、結腸壁の肥厚がある。 直腸検査では、腹圧は高くなく、明らかな異常はない。 発熱とわずかな下痢の経過がある。 横たわって苦悶する痛みがある。 もう7時間ほどの経過がある。...
View Article高齢馬の血栓栓塞性大結腸壊死 治療
大結腸を切除する手術をした翌朝も疝痛を示し、フルニキシンを投与しても治まらなかった高齢の元乳母馬。 胃カテーテルを入れたが、逆流はなかった。 点滴にリドカインを加えた。 蠕動はあったし、胃カテーテルで逆流はないし、小腸が張っている所見もないので、術後イレウスだとは思えないが、リドカインが痛みを抑えてくれることを期待した。 -...
View Article両側の側頭骨舌骨関節症の角舌骨摘出を緊急で
午前中、予定を変更してもらって、前の日に第一指骨を縦骨折した2歳馬のscrew固定手術。 私は途中からは、慢性の体重減少の繁殖雌馬の診察と検査。 午後は、今週私は検査業務。 手術室では1ヶ月前に顔面骨折を固定したプレートの除去。 3時から6歳の引退競走馬の去勢。 4時から、去年、左側の側頭骨舌骨関節症で角舌骨摘出手術をした繁殖雌馬の検査。...
View ArticleRhodococcus equi のコロニー性状と感受性
好天続きの年には肺炎が多く、 雨が続く年は下痢が多い、と かつて年寄り獣医さんは言ったもんだ;笑 今年はロド肺炎の当たり年かもしれない。 検査室にも連日気管洗浄液が持ち込まれている。 この検体もRhodococcus equiが純粋に生えている。 しかし、コロニーは、全体に広がった小さいコロニーと、それとは違う少数の大型のコロニーがある。 抗生物質感受性ディスクを乗せた培地。...
View Article黒毛和種子牛の脛骨”再”骨折
2ヶ月齢で脛骨を螺旋・ピースあり骨折した黒毛和種子牛。 ナローDCP2枚で内固定し、40日後に2枚ともプレート除去した。 それから、11日目。 脛骨がまた折れてしまった。 骨癒合していなかったのか? 骨癒合してなかったら、10日間ももたないだろう。 骨折しても30日間で骨癒合が期待できる子牛だ。プレートをはずした後も骨はかなり丈夫になりつつあったはず。...
View Article高齢馬の変形性骨関節症DJD 肢軸が曲がる
他の地域から25歳のクウォーターホースが跛行し、 近位指節関節が変形性関節症になっている。と相談された。 X線所見では、骨増勢がひどく、いままでやってきたように関節を大きく開いて、軟骨を除去し、LCPとscrewで関節固定するのは厳しそうだった。 それで、Richardson教授に相談したら、 関節を開く必要はない。 5.5mmscrewを数本、lag screw として入れれば良い。...
View Article186kgの上腕骨骨折 double LCP
日曜日は小学校の運動会だった。 休みだったM先生から電話が来たので、アキレス腱でも切ったんじゃないだろうな?と思ったら、 上腕骨骨折、という。 いや、人じゃなくて馬が。 - 折れ方としては悪くない。 骨幹中央部。 粉砕していないし、ピースもなさそうだ。 雌馬で繁殖供用でも良いとのこと。 それならやってみる価値はある。...
View Article186kgの上腕骨骨折のアプローチ
上腕骨骨折の内固定手術が難しいのは、ひとつには筋肉が厚いせいだ。 子牛とちがって、馬は、子馬でも筋肉が厚い。 肩先から肘関節の上まで、上腕二頭筋の外側に沿って切開する。 その部分を広く覆っている上腕頭筋は、筋繊維に沿って切り広げて良い。 その奥の上腕二頭筋と上腕筋の筋腹を分ける。 斜めに3つならんでいるのが、内側近位から上腕二頭筋、上腕筋、橈側手根伸筋、だ。...
View Article馬の高カリウム血症の治療についての総括 introduction
膀胱破裂や、結腸捻転で、高カリウム血症に遭遇するときがある。 非常に危険な状態なので、対応方法について知っておく必要がある。 2016年のAAEPで、高カリウム血症の治療について総括している講演があった。 以下は、その抄録。 講演者は、Langdon Fielding獣医師。 カリフォルニアの馬獣医師のようだ。 - Introduction...
View Article馬の高カリウム血症の治療についての総括 materials and methods
高カリウム血症をどう治療するか? AAEPでの講演抄録から。 - Materials and Methods 高カリウム血症の緊急治療は下記のように概略される。 以前の標準的な治療についての推奨に対する新しく提案された変化には印(*)をつけた。 重度の高カリウム血症 7.0mmol/l以上、そして、あるいは臨床症状とECG変化を伴う。...
View Article馬の高カリウム血症の治療の総括 Results
さて、馬の高カリウム血症の治療について、AAEPでの講演を紹介してきた翻訳文も最後。 - Results 高カリウム血症の治療はしばしば一時的で、元の内科的状態が解消するまでの橋渡しである。 HYPP hyperkalemic periodic paralysis の症例は急速に改善され、長期間の管理はその後の問題を予防しうる可能性がある。...
View Article1ヶ月齢の橈骨螺旋骨折
午前中、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。 つづいて、6歳競走馬のEE Epiglottic Entrapment 喉頭蓋捕捉の切開手術。 昼休みしていたら、子馬の頭骨骨折の連絡。 午後に予定していた関節鏡手術とDDSPの治療を延期してもらって、内固定手術することにした。 ー 私は仰臥で手術するのを好む。...
View Article東京タワーの元で
朝の便で、羽田へ。 京急で東銀座へ。そこで地下鉄日比谷線に乗り換えて、神谷町へ。 ロシア大使館を警備しているおまわりさんの物々しさに驚きながら、麻布台ビルへ。 全国公営競馬獣医師協会の事務所へははじめて来た。 午後、総会。 そのあとで、1時間、競走馬の骨折の応急処置と治療について語らせていただいた。 ー...
View Article1ヶ月齢の橈骨螺旋骨折
出張前日にやった橈骨骨折LCP固定について記録しておきたい。 この子馬は、X線撮影されていたが、添え木は当てられていなかった。 橈骨完全骨折は、前腕の内側へ開放骨折になりやすい。 綿包帯で肢を巻いて、蹄から背まで以上の長さの添え木を当てて、添え木と肢をガムテープやダクトテープで固定しておいてもらいたい。 開放骨折になっていたら・・・・・・・救命率は大きく下がってしまう。...
View Article馬の科学 廃刊
「馬の科学」が廃刊になるのだそうだ。 驚いたし、とても残念だ。 私が馬の獣医師になった頃、年に12巻発行されていた。 馬の獣医学や臨床や研究や海外情報の記事がいっぱいで、毎号隅々まで読んでいた。 前身の「獣医技術」も書庫に蔵書されていた。 専用のファイルもあったので、私は全巻そろえていた。...
View Articleフレグモーネの末路
まだ若い繁殖雌馬。 フレグモーネになって、治療をしていたのだが自潰し、 包帯を巻いていたのだが、肉芽が増勢し、切除に来た。 もう外へ大きくなった肉芽だけでなく、他の太くなった皮下織にも結合織が増勢し、その中に微少な膿瘍ができている。 こうなっては完治はしない。 体の抵抗力が落ちたときに再発を繰り返す。 塊状の肉芽を切除し、焼きごてで止血した。...
View Article1歳馬の髄膜炎
1歳馬が放牧地で様子がおかしく、歩くのがやっとで、馬房へ入れたら立てなくなった。 何度か立ち上がったらしいが、その都度倒れ、横臥のまま頭をばたつかせていて、あきらめた。 とのことで剖検を依頼された。 後頭骨と第一頚椎の間でスパイナル針で脊髄腔を穿刺したが、脳脊髄液は採取できなかった。 間違いなく脊髄腔に刺さっているのだが・・・・ 外傷性に脊髄腔が破れて、脳脊髄液が失われてしまっているのか?...
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