Quantcast
Channel: 馬医者残日録
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1690

橈骨完全骨折が治った

$
0
0

6月に橈骨完全骨折をORIF;Open Reduction and Internal Fixation した当歳馬。

10月にはいって、内側に当てていたナローLCPを抜いた。

そして、5ヶ月足らずの日、メインの頭側ブロードLCPを抜きに来た。

手術台に載せてから、念のためにX線撮影する。

骨癒合はたいへんよろしい。

先に抜いたプレートに入っていたscrewの孔もほぼ埋まっている。

骨は成長して相対的にプレートが短くなっている。

プレートの上に骨が乗っかり出している。

minimally invasiveにプレートを抜去した。

仮止めに使ったscrewは抜かないことにした。

もうscrew head も埋まっているだろう。

橈骨の自然な形状も失われていない。

肘関節を形成する橈骨と尺骨に段差もなく、肘関節も良好だ。

橈骨と尺骨も骨癒合せずに済んでいる。

今までに5頭、当歳馬の橈骨完全骨折を手術した。

最初の1頭は、器具や器材の準備も充分ではなく、手で回すドリルで手術した。

それでもbeginner's lack か助かって競走馬になり、何勝もした。

2頭目は新生子馬で、ナローLCP2枚で固定したが、プレートが折れてダメになった。

3頭目は反省を生かして、LCPの骨折線近くはscrewを入れず、その隣の孔には皮質骨sccrewを使った。

LCPは強固な固定ができるが、その分プレートに大きな力がかかるので破損の恐れがある。

その馬も競走馬になり、賞金も稼いだ。

4頭目は、今まで一番体重が大きい子馬だった。2.5ヶ月齢になっており、推定体重170kg。

順調な経過だった。もう調教開始されているはず。

そして、今回が5頭目。

かのNew Bolton Center からの文献では、22年間に橈骨骨折を27頭手術して15頭(56%)が助かった。ということだ。

だから、5頭やって4頭助かったというのはとても良い成績だ。

30年やってきて、子馬の橈骨ボッキリ骨折は、「治せるようになった」、と言える。

I' m proud of it !!

                    ///////////////////

とうこつ・・・とうこつ・・・・おらのとうこつどこだ?・・・・ムニャムニャ・・・zzzz

 

 

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1690

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>