プレートを利用したcompression も、対側を圧迫するためのprebending もかなり観念的。
単純な横骨折や短斜骨折だとcompression が極めて有効だろうが、そんな単純な骨折は多くない。
ただし、compressionとprebending の原理を知ってうまく使えば、より安定した強固なプレート固定ができる、はず。
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compression と prebending の必要性についておさらい。
(図は「新小動物骨折内固定マニュアル」から)
compressionをかけていないと、骨折部は回旋力に対しても弱い、というのがa。
compressionをかけておけば、ある程度は回旋力にも抵抗できる。
が、対側はcompressionがかかっていないので、その抵抗は強くない、というのがb。
prebending により対側皮質も圧迫しておけば、骨折部は面として摩擦抵抗を持つので、かなりの回旋力にも耐えられる、というのが c。
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このようなピースのある骨折では、compression をかけにくい。
compression をかけると、ピースが押し出されかねないからだ。
しかし、ピースがある側にプレートを当て、しかもprebendingしておけばピースがない対側皮質をcompressionかけることもできる。
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ORIF Open Reduction and Internal Fixation 切開しての内固定手術、をやっていても、対側は観察できないことがほとんどなので、
対側の圧迫までは意識できないことが多い。
しかし、もっと基本に忠実に、compression with prebending を意識し、応用すれば、強度が増したプレート固定ができるかもしれない。
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午前中、去勢しようとしたら左が陰睾だったので、右だけ去勢した、という3歳馬。
手術台に仰臥したら鼠径部に睾丸があった。
結紮して、挫滅鋏で去勢した。
「片側が陰睾のとき、片側だけ去勢してはいけない」
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昼前、きのう分娩し、そのあとから疝痛を示している繁殖雌馬が来院。
来院してもまだ痛いし、PCV47%、乳酸値2.7mmol/l。
「結腸便秘」との推定診断だったようだが、便秘ではこんな血液検査所見にはなりにくい。
しかし、超音波で結腸壁の肥厚はわからない・・・・
G先生、大活躍!
結腸捻転だった。
結腸壁は肥厚はわからない。結腸動脈周囲にわずかに浮腫がある。
しかし、捻転は明らかだった。