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Channel: 馬医者残日録
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プレート固定の基本と注意点  prebending

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骨折プレート固定の実習をしていると、

「プレートスクリューは、骨折部に近いところから入れますか?端からですか?」

と訊かれることがある。

その問いに答え、その理由を理解してもらうには、ちょっと遠回りしなければならない。

                 -

骨折部をしっかり圧迫固定できる点がCompression Plate の利点だ。

DCPでも、LCPでも。

ただし、プレートを利用して骨折線を圧迫すると、プレートを乗せた側だけを圧迫することになる。

それを示したのが下の図(「新小動物骨折内固定マニュアル」より)

それで、骨折部に当たる部分で、プレートを「へ」字型に曲げておくと、対側も圧迫できるようになる。

それが、上の図の下の方。

この、「あらかじめプレートを曲げておく」がprebending。

                    -

プレートをprebending していても、プレートスクリューを端から入れていくと・・・・・というのが下の図。

たしかに、対側は圧迫できるのだが、固定される骨に対してprebendingされたプレートは長いので、

端からスクリューを入れたのではプレートを乗せた側が圧迫できなくなってしまう。

                     -

プレートに端からscrewを入れていくリスクは、骨折部から離れたところで折れている骨に圧迫をかけると、

骨折部が圧迫されるより、骨はプレートの真下からはみ出るように「へ」字型になろうとするかもしれない。

                     -

だから、プレートスクリューは、骨折部に近い孔からスクリューを入れていくのが基本だ。

ただし、骨折部ばかりを観て夢中でやっていると、プレートの端が骨にうまく乗っていない、などということが起こることがある。

プレートスクリューは骨折部に近いところから入れていくのが基本だが、

1本目のプレートスクリューでプレートの位置は決まり、2本目のプレートスクリューで、骨の軸に対する角度も決まってしまう。

そのときにプレートの両端も、うまく骨に乗っかっているように気をつけなければならない。

              /////////

シカは跳ねるからね~

骨折内固定は難しいらしい。

           ー

農業共済新聞に講演の内容をまとめていただいた。

チェックしていないのに、正確にまとめていただいているのに感心した。

オレこんなことしゃべったんだ;笑

 

 

 


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