骨折プレート固定の実習をしていると、
「プレートスクリューは、骨折部に近いところから入れますか?端からですか?」
と訊かれることがある。
その問いに答え、その理由を理解してもらうには、ちょっと遠回りしなければならない。
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骨折部をしっかり圧迫固定できる点がCompression Plate の利点だ。
DCPでも、LCPでも。
ただし、プレートを利用して骨折線を圧迫すると、プレートを乗せた側だけを圧迫することになる。
それを示したのが下の図(「新小動物骨折内固定マニュアル」より)
それで、骨折部に当たる部分で、プレートを「へ」字型に曲げておくと、対側も圧迫できるようになる。
それが、上の図の下の方。
この、「あらかじめプレートを曲げておく」がprebending。
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プレートをprebending していても、プレートスクリューを端から入れていくと・・・・・というのが下の図。
たしかに、対側は圧迫できるのだが、固定される骨に対してprebendingされたプレートは長いので、
端からスクリューを入れたのではプレートを乗せた側が圧迫できなくなってしまう。
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プレートに端からscrewを入れていくリスクは、骨折部から離れたところで折れている骨に圧迫をかけると、
骨折部が圧迫されるより、骨はプレートの真下からはみ出るように「へ」字型になろうとするかもしれない。
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だから、プレートスクリューは、骨折部に近い孔からスクリューを入れていくのが基本だ。
ただし、骨折部ばかりを観て夢中でやっていると、プレートの端が骨にうまく乗っていない、などということが起こることがある。
プレートスクリューは骨折部に近いところから入れていくのが基本だが、
1本目のプレートスクリューでプレートの位置は決まり、2本目のプレートスクリューで、骨の軸に対する角度も決まってしまう。
そのときにプレートの両端も、うまく骨に乗っかっているように気をつけなければならない。
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シカは跳ねるからね~
骨折内固定は難しいらしい。
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農業共済新聞に講演の内容をまとめていただいた。
チェックしていないのに、正確にまとめていただいているのに感心した。
オレこんなことしゃべったんだ;笑