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Channel: 馬医者残日録
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deja-vu 妊娠末期の空腸捻転

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妊娠末期の繁殖雌馬が疝痛で来院。

ひどく痛くて、開腹手術したら空腸の捻転だった。

しかし、妊娠子宮が大きくて、捻転部位を外に出せないし、操作しにくい。

どうしても解けないので、壊死部の空腸を切断し、片側は盲端にしておいて、壊死部を廃液ホースに使って内容を捨てたら、盲端にした側が引き抜けた。

大網が癒着したことによる空腸捻転だったようだ。

去年12月に発熱して体調を崩したことがある、とのこと。

おそらくそのときに空腸に小さい穿孔が起きて癒着したのだ。

あらためて壊死部全体を切除した。

ので、切除部位はこうなった。

あとは普通に端端吻合。

しかし、Post Operative Ileus で数日間たいへんだった。

           ー

その開腹手術の翌日。また同じ時間帯。

妊娠末期の繁殖雌馬の疝痛。

またひどいことになっている。

この症例は解くことができた。

壊死部をすべて切除して端端吻合した。

2日連続で、まるでdeja-vu のようだった。

           ー

妊娠末期でも、予定日を過ぎていても、分娩徴候が無いなら帝王切開はしない。

分娩徴候が無いのに帝王切開したのでは子馬が助からないから。

腹壁は、太い(2号)編み糸をダブルにして縫合している。

ポンポコリンのおなかでも大丈夫だ。

         /////////

さあ、帰ろう。

 

 


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