夜、9時過ぎに電話。
繁殖雌馬の疝痛を運びたいとのこと。
10時半すぎに来院。
超音波検査では右側腹部で結腸動脈が見え、浮腫を起こしている。
血液はPCV30台。ぜんぜん悪くない。
疝痛ははっきりしない。
入院厩舎に入れて様子を観ることにした。
が、すぐに横臥し、仰向けにもなった、とのこと。
「やりましょう」
結腸骨盤曲が頭方向へ向いていた。
盲腸に巻き付くように変位したわけではないが、結腸右背側変位のひとつのパターンだろう。
再発防止のためにcolopexyした。
手術後はなかなか起立しなかった。
やっと立たせて、歩かせて覚醒室から出したが、暴れてアスファルトの上で転倒した。
片付け終わって、午前2時半。
術後は持続点滴もなし。
翌朝の状態は良好で、退院していった。
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翌日の夜、10時過ぎに呼ばれる。
繁殖雌馬が疝痛で来院しているとのこと。
立っていられないので、検査もそこそこに開腹することになった。
結腸の色調はひどくなかったが、捻転の仕方が普通と違う。
大結腸の途中でねじれ、背中側へ入り込んでいて引っ張り出しにくかった。
頭側へ行っていた骨盤曲から引っ張り出したが、まだ色調は回復しない。
骨盤曲を閉じて、一旦腹腔内へ結腸を戻し、また盲腸から引っ張り出して、大結腸を後ろ回りに回す。
重労働だ。
やっと捻転が整復できて結腸の色調は正常に戻った。
colopexyして閉腹するが、腹部膨満し、腹圧が高く、腹壁の縫合がたいへんだった。
麻酔覚醒・起立は早かった。
私は午前1時半で引き上げた。
翌朝、馬は活力があり、排便もあり、腹部膨満もましになっていた。
ーーー
夏の結腸捻転は昔に比べると減ったと思っているのだが、連夜急患が来ている。
春の忙しさがひどいので、楽になったと感じるだけで、十分激務の7月だ。
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繁殖雌馬の結腸捻転・変位も、ランダムに起きているのではなく、特定の牧場で多い。
何か要因があるのだが、その解明と解決は難しい。
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本州の梅雨明けもまだなのに、北海道も雨が続いている。
梅雨前線が北上してきたら、さらに雨が続くだろう。
ヤマアジサイ。
雨の中、きれいに咲いている。
青がきついのは酸性土壌なんだろうな。