夏の結腸捻転ラッシュは減ったと思っているのだが、
以前に比べれば、とか、
最近は春がとても多いので、とか、
結腸捻転だけにかぎると、のせいかもしれない。
疝痛馬は連日、来院している。
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21歳の繁殖雌馬。
今年分娩し、受胎もしている。
しかし、21歳にしては体つきが衰えていない・・・・
結腸捻転だろう、と思っていたら、小腸閉塞で、
網嚢孔ヘルニアのようだ、と手術は進んだが、途中で横隔膜ヘルニアだということが触知された。
なんとか、入り込んでいた空腸も抜けて、切除せずに手術終了。
年齢は牧場の一覧表が間違えていて、本当は11歳だった。
年齢は微妙に予後判断に影響をあたえる。
まあ、よかった。
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夜、9時半に繁殖雌馬の疝痛の連絡。
「はたちなんですけど」
ひどく腹囲膨満していて、フルニキシン無効なので送り込みたい、とのこと。
鎮静剤は投与しておらず、直腸検査も超音波検査もしていない。
担当獣医師はついても来ないので”連れて行く”とはならない。
来院したらトラックの中で倒れていた。
PCV52%、乳酸値4.0mmol/l。
これは結腸捻転、と思ったが、痛くないので枠場に入れて超音波検査して・・・・
膨満した大結腸や、肥厚した結腸壁は見えない。
空虚な小腸と、さかんに蠕動している小腸が見えた。
直腸検査しても、腹腔内の圧は高くなく、膨満した結腸に触ることもない。
輸液をしていると、4リットルほど入れたところで馬の目つきが変り、活力が出てきた。
「帰りましょう。今晩は絶食して。」
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翌日は、朝の手術馬が30分ほど遅れてきた。
手術も順調に行かず時間がかかっていた。
そこへ繁殖雌馬の疝痛の依頼。
疝痛ひどく、フルニキシン、鎮静剤無効。
当歳馬の寛跛行は私ひとりで対応した。
疝痛馬は来院したが立って居られない。
PCV59%、乳酸2.7mmol/l。
すぐやりましょう。
内容を捨てて、完全に捻転を整復したら、色調はかなり回復した。
しかし、背側結腸の横隔曲あたりは筋層にも損傷があるのがわかる。
結腸動脈の拍動はあるが、出血様。
骨盤曲切開部の粘膜損傷は最悪ではないが、かなりひどい。
盲腸結腸ヒダのところで大結腸切除して、背側結腸と腹側結腸を吻合することにした。
切除部分でも粘膜はかなり鬱血と虚血性損傷があった。
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終わって、1時半。
大結腸切除・吻合しても2時間はかかっていない。
そのまま片付けして、入院厩舎に輸液を準備して・・・・
次は予定していた3歳馬の去勢。
その後、1歳馬の腰痿のX線撮影。
終わって4時。
昼ごはん・・・・・食べないで、カルテ書いて帰るか・・・・
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雨で何もできない日が続き、図書館で見かけて借りてきた。
自衛隊イージス艦が、太平洋戦争最中へタイムスリップする話。
自衛隊という特異な軍隊の、自衛官という軍人ではない若者たちがどう行動するのか興味があった。