牛の骨折は、治せるかどうかの前に、治療するか、どれだけ経費をかけられるか、が云々されることが多い。

Bovine Orthopedics, Veterinary Clinics of North America : Food Animal Practice の最初も、牛の骨折治療の決定を分析する、とした章で始まっている。
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著者は、Guy St. Jean。
Ross Universityの先生だ。聞き慣れない大学だったが、なんと西インド諸島にある。
USAの獣医師免許受験資格を本土の大学と同じように取れる。
授業料は高いらしい。
そして、獣医師国家試験は合格するかもしれないが、実習などは他校へ出かけて受けるのだそうだ。
なんだかね~
医学部もある。
教育を産業にしようとしているのだ。
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KEY POINTS
・牛の骨折は多発し、それぞれの症例牛は特異的であり、数え切れないチャレンジと、注意深い判断が必要である。
・牛の骨折治療は、通常、乳や肉の生産を減退さない、あるいは自然な繁殖を阻害しない程度で受け入れられるべきだ。
・牛の骨折を治療する決断は、治療経費と成功率、患畜の価値、骨折部位とタイプ、を評価することで行う。
・肢の骨折の応急固定はしばしば成功と失敗を分けるひとつとなる。
・牛の骨折を治療する上で、外固定はしばしば適切であり、経済的な治療である。
・牛の開放骨折は予後が悪い。成功率はしばしば汚染の程度と畜主の経済的な制限に左右される。
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とても納得のいくKEY POINTS だ。
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牛の付属器の骨折(前肢あるいは後肢)は多く、普通は子牛で見つかる。しばしば、取り扱い中や難産中の外傷と共に起こる。
軸骨格(頭蓋骨、脊柱、骨盤)を含めた骨折は多くないし、治療されることも少ない。
牛の骨折で最も多いのは、中手骨と中足骨で、続いて脛骨、橈尺骨、上腕骨、大腿骨である。
軸骨格と指/趾骨の骨折はまれで、しかし軸骨格で最も多いのは仙椎、骨盤、下顎である。
それぞれの牛骨折症例は独自のものであり、慎重な判断が必要なさまざまな難しい点がある。
どの動物種においても決断の分析はいつも診療の一部であるが、
牛ではほとんどすべての症例で経済的利益が要求されるので、治療について考えるときに経済要因が決定分析にとくに大きく影響する。
すべての骨折した動物は異なっている。
すべての畜主、農場責任者、農場従業員が、異なった状況と期待を持っている。
ロデオ用の家畜を除いて、ほとんどの牛は馬と同じような運動能力を必要としない。
牛では骨折治癒後に生産に復帰し、肉生産にマイナスとなる成長を障害したり、乳生産を減弱させたり、あるいは胎仔や精子そして自然な繁殖というような繁殖成績に干渉したりしなければ、受け入れることができる。
獣医師ひとりひとりが、決定分析の過程について違った視点を持っている。しかし、すべての症例について考えなければならない通常の要点というものがある。
畜主の要望、患畜の価値、治療の予後、そして治療が成功した後の起こりうる結果、である。
ほとんどの牛は骨折治療の好ましい患者である。
なぜなら、彼らは行動が穏やかで、回復期間中ほとんどの時間を寝て過ごすことができ、血行が盛んで骨膜への形成層が活性化しているので骨癒合の潜在能力が素晴らしく、めったに対側肢の損傷や折れていない肢の負重性蹄葉炎に苦しんだりせず、肢に着けられた整形外科装置(副木、キャスト、創外固定具など)に抵抗したりしないからだ。
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ここまでが、この章の前文。
最後の文には、牛がどうして骨折治療の好ましい患者さんであるか、きちんと書かれている。
逆に言うと、馬、とくにサラブレッドがどうして骨折の患者さんとしてダメな奴かがわかる;笑
この前文のあとに、ECONOMICS 経済 へと続いていく。
(つづく)
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夕方の散歩は海へ行きたがる。
この時季、浜に釣り人もまず居ない。
コンブ漁期間中なので、ちぎられたコンブが多くて釣りにならないから?