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Channel: 馬医者残日録
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当歳馬の中足骨亀裂骨折

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当歳馬が中足骨部に小さな怪我をしていて、牧場が自家治療したが痛みがとれないので、2日後から獣医さんが治療を始めた。

そして、皮膚の傷は小さくなって治まってきたが、骨が出っ張ってきたし、痛みは最初より強くなった.

一番痛いのは、外側遠位の傷のあたりではなく、内側の近位よりの腫れた部分。

X線撮影したら・・・・

亀裂骨折していた。

骨折線は骨吸収で明瞭化し、骨増勢している部分もある。

キャスト固定でこのまま治る可能性もあるが、おそらく骨折線は螺旋状にまだ伸び続けている。

最良はプレート固定することだろう。

最初の事故から19日・・・・

跛行は、常歩でDyson grade 5/8。

歩けるが、跛行は明瞭で、ときには負重を嫌う。

痛いんだ。

骨折れてるから。

骨増勢していても、くっつき始めてないから。

               -

ブロードLCPを使って、minimally invasive technique で内固定することにした。

中手骨の内側の近位と遠位の皮膚に小切開を加え、皮下にトンネルを造っておいて、13孔ブロードLCPを差し込む。

外側は骨増勢で膨らんでいるし、小さくなっているが皮膚欠損があるのでプレートを入れるのを避けた。

まず近位から4番目の孔に皮質骨screwを入れてLCPを中足骨に押し付ける。

遠位から4番目の孔は、遠位の骨折線を圧迫できるようにlag technique でscrewを入れる。

近位と遠位の骨折線に2本ずつlag screw を効かせた。

あとは、Locking Head Screw を7本入れた。

LHSは、LCPに固定されるので、骨にプレートを押し付けるのではなく、荷重を支えてくれる。

さらにキャストを巻きたいところだが、half limb cast ではキャストトップに無理な力がかかりかねないし、

full limb cast を巻くと、寝起きで脛骨を傷めるリスクがある。

キャストはしないことにした。

         /////////////

変わり葉ヤマボウシ。

普通のヤマボウシのように綺麗な紅葉はしないが、

パステル調だったり、くすんだ紅葉も悪くない。

時を経る、衰える、しかし。とはそういうものじゃないか。

 

 

 

 


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