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Channel: 馬医者残日録
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舌裂傷 ほとんど切断・・・・

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年末の日曜日。

午前中はTiebackを2ヶ月前にやった馬の披裂軟骨切除。

Tiebackをやる前から披裂軟骨炎であることはわかっていた。

それでもTiebackをやってみたが、手術時には披裂軟骨を外転させることはできなかった。

もう披裂軟骨の形状がおかしくなり、関節が動かなくなっていたのだろう。

披裂軟骨切除は、Tieback後の方が結果が良い、という報告もある。

披裂軟骨切除しても筋突起は残すので、いくらかでも外転させるテンションが残っていた方が良い、あるいは良い症例が含まれる、ということかもしれない。

                    -

披裂軟骨切除が終わる頃、放馬してチフニーで舌を切ってしまった1歳馬が来院。

立位で縫おうと思ったが、ひどく奥で切れていて、おまけに切れ方がひどい。

包帯で舌を縛って引っ張り出して縫うのだが、包帯が滑って切れ目を引張ると完全に千切れてしまうだろう。

切断部より先は色調も紫がかっている。

全身麻酔することにした。

腹側にある血管は露出しているが、かろうじて2本とも残っている。

すごい奥でしょ。

1 monocryl によるステントを用いた垂直マットレス縫合に、

0 monocryl による十字縫合を加えてある。

腹側へもぐるりと切れていた。

朝、ウォーキングマシンから出すときに雪で滑って放馬したのだそうだ。

4日間乗れていなかったので元気があまっていた。

夕方まで水も与えないよう指示した。

翌日の夜まで餌はなし。

舌を失わずに済むかどうか、年明けまでわからない。

               //////////////

こいつらは生まれたばかりの子牛の舌を齧ることがあるらしい。

馬でも、放牧地で産んだ、なんて話しを聴くが、新生子馬が襲われたとは聞いたことがない。

母馬が守るのかもしれない。

 

 


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