あがり馬が発熱し、胸膜炎のようだ、ということで来院。
超音波で診たら、左の胸腔の隅に炎症性の胸水とフィブリンがあった。
針を刺して抜けるほどではない。
抗生物質で治療するしかないが、胸膜炎は治療が長期化しがちだし、再発することも多い。
治療費は高額になりがちだ。
輸送熱を診たら、胸腔を超音波で検査すべきだ。
発熱や血液検査所見が落ち着いて抗生物質投与を止めても、数日後の再検査をルーチン化してはどうだろうか。
超音波検査しても良いし、血液検査でSAAをみても良い。
頼まれて抗生物質投与するのだけが獣医師の仕事じゃないだろう。
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翌日、1歳馬の胸膜肺炎が来院。
超音波で診たら、左の胸腔には炎症性の胸水とフィブリンがあった。
右の胸腔はかなりの量の胸水が溜まっていた。
左の胸腔は留置針で穿刺して胸水をできるだけ抜く。
が、数十mlしか抜けなかった。
右は・・・
18Frのトロッカーカテーテルを留置した。
5リットルほどオレンジジュース様の胸水が抜けた。
生理食塩液を入れて抜いてして洗浄し、抗生物質を入れた。
この馬も数週間前に治療歴がある。
牧場で流行ったウィルス性の感冒をこの馬だけがこじらせたらしい。
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アウトドア好きの青年が、ひとりで出かけた荒野の岩の隙間で、落石に腕を挟まれ動けなくなってしまう。
誰も通りがかったりしない。
どこからも見えない。
大声を出しても誰にも聞こえない。
水がなくなればやがて脱水で死ぬしかない。
腕を切り離せば脱出できるが、鎮静剤も麻酔薬も、手術道具もなくそんなことができるのか?
実話、実在の人物の経験談だそうだ。
・・・・・・私には無理。
止血の方法や、どこを切るのが切断しやすいか多少の知識はあるが・・・無理。
この青年を尊敬する。
実在の主人公は、今も義手をつけてアウトドア活動を楽しんでいるそうだ。
行き先のメモを必ず残して。