朝、難産の依頼。
頭と両前肢が出ているが、後肢の少なくとも1本が産道に入ってきている、とのこと。
うるさい馬で馬房に入って難産介助できない、とのこと。
その状態で来院するなら、すぐに全身麻酔して難産介助した方が良い、と判断して第二夜間当番獣医師と研修に来ている獣医師にも連絡した。
すぐ麻酔して後肢を吊上げた。
産道に腕を入れると、胎仔の右後肢が産道に入ってきている。
潤滑剤を入れて、研修の獣医さんに後肢を押し戻してもらう。
骨盤腔の向こうへ押し戻せた、とのこと。
吊上げていた母馬を下ろして、あとは引っ張る。
すぐに牽引娩出させられた。
子馬は、四肢も曲がっていないし、腱拘縮もない。
なぜ後肢が産道に入ってきてしまったのかわからない。
分娩予定日5日前で、分娩徴候もあって、分娩馬房で監視していたのだそうだ。
前夜も馬房の中を歩き回ったり、寝たり起きたりしていたとのこと。
そこまでは何の異常もない当たり前の経過だったのだが・・・・
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この繁殖雌馬は「うるさい」馬で、ふだんは注射するにも立ち上がる。
蹴るし、噛むし、叩くし、実際、人を蹴って怪我させたこともある。
母馬の性格も分娩のリスク要因かもしれない。
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子馬は生まれ始めているが
春まだ遠い。