分娩時の膀胱破裂の繁殖雌馬。
膀胱は立位で外科的修復をした。腹腔には半日分の尿が溜まっていたので、ドレインを留置して廃液した。
使ったのは32Frのトロッカーカテーテル。
馬は鎮静剤投与して、枠場があれば枠場に入れるが、枠場がなくても可能。
念のために鼻捻子もしておいたほうが良い。
腹部正中を毛刈して、
消毒する。
馬の正中はわずかに膨らんでいるので指先で触知できる。
最も低い辺りの正中の皮下と筋層に局所浸潤麻酔する。
11番ブレードのメス(なければよく使われる23番でも構わない)で皮膚を穿刺切開する。
滅菌グローブをするか、グローブをした手を消毒して実施する。
トロッカーカテーテルの先を穿刺切開創に押し入れて、回しながらゆっくり押す。
ブスっといきなり何センチも入らないような持ち方をしておいた方が良い。
腹腔へ入ると抵抗が減るのでわかる。
観察していると、内針とカテーテルの間に腹水が染み出て来るかもしれない。
内針を少し引いて、カテーテルは5cmほどさらに刺し込む。
留置するときは糸でカテーテルを皮膚に留めておく。
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胸膜肺炎を起こしてしまった1歳馬。
胸腔にドレインを留置することにした。
太さは18Frを選択した。
うちには10、18、32Frのトロッカーカテーテルを用意している。
腹腔にせよ胸腔にせよ、今は超音波で奥の様子を把握できるのでまず超音波検査しておくと良い。
穿刺、留置テクニックの基本は腹腔と同じ。
胸腔穿刺は、左が第7肋間、右が第6肋間の外胸静脈の直上、ということになっている。
左がひとつ尾側なのは心臓を避けるため。
だから頭側向けて刺してはいけない。心嚢穿刺したいなら別だけど。
横隔膜の位置は腹圧でかなり変わるので注意が必要かもしれない。
胸腔穿刺するのは胸水がある場合なので、胸腔腹側は押し広げられていることが多いように思う。
毛刈、消毒、局所麻酔、穿刺切開、トロッカーカテーテル穿刺。の手順は腹腔穿刺と同じ。
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腹腔・胸腔留置カテーテルで持続的に廃液させるなら、先端には滅菌グローブの指を切ってはめておくと、
廃液はされるが、腹腔や胸腔の陰圧でカテーテルから吸引・逆流が起きるのを防げる。
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二次感染も懸念されるので、ドレナージは必要以上に長く行わないようにする。
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夜明け前、相棒と散歩。
標高40mから標高60mの温泉ホテルまで登る。
今日は好い天気だ!