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Channel: 馬医者残日録
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今シーズン初の帝王切開

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0:04 初産だが、骨盤骨折歴がある馬で、産道が狭くて出そうにないので、帝王切開も考えてます。との電話で起こされる。

30分で行きます、とのこと。

ぐずぐずしていられないので、研修に来ている先生と、第二当番の獣医師を呼ぶ。

0:35 来た馬のお尻を観ると、たしかにひどく左右不対称。

これは即帝王切開した方が良さそうだ。

全身麻酔して、手術台に乗せ、毛を刈って、消毒して、etc.

0:48には手術を始めることができた。

すぐ子宮の中の子馬の飛節を引き寄せ、子宮と胎盤を切開する。

しかし、子馬の後肢を子宮から引っ張り出すのに手間取る。

臍動脈をクランプして、オキシトシンの点滴を始めてもらう。

胎児胎盤の血液を少しでも子馬に戻したい。

1:05 子馬を引張り出して、倒馬室へ運んでいってもらう。

それから、子宮の切開部分を縫合閉鎖し、腸管手術より長い開腹手術創を閉じる。

2:07 母馬を覚醒室へ運び出した。

1時間ほどで母馬は立ち上がった。

左が盛り上がっているのではなく、右が落ちているのだ。

右の腸骨を骨折したのだろう。

P6020147”産道”のかなりは腸骨で造られている。

それがこれほどゆがんでいてはまともには出てこれないだろう。

母馬はよたよた歩けるようになって入院厩舎へ移した。

子馬はもう立ち上がれるようになっていたが、乳を吸わせるのはたいへん。

初産だし、帝王切開したし、母馬が子馬を受入れるか心配したが、子馬を舐めて自分の子と認めたようだ。

たいしたもんだ。

われわれは”仕事”を終えたのは3:30

                   -

翌朝、母馬は食欲も出ていた。

午前中の関節鏡手術を始めておいて、手分けして落ちない胎盤を落としにかかる。

オキシトシンを点滴する。

胎膜の血管を切って、断端からチューブを差込み、水道水を注入した。

10リットルほど入れたら、母馬は伏臥した。

そのあと、すぐに胎盤は剥がれて押し出されてきた。

その間、30分ほど。

                   -

夕方、すっかり普通の親子のようになって退院していった。

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先日、新冠温泉でグルメしてきた。

おいしゅうございました。

このコースは3月中やっているらしい。

 

 

 

 

 

 


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