外科手術に使う剪み(鋏み)にもいろいろある。
”直”とか”反”とか、
”鋭”とか”鈍”とか。”片鈍”とかもある。
クーパーとか、メーヨーとか、人や病院の名前が付いている剪みに到っては、知らない、とか、持っていない、とかの大動物獣医師や大動物診療所も多いのではないだろうか。
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牛の診療所だと、第四胃変位の手術がほとんどで、ときどき帝王切開。
いずれにしても、バッサーとメスで切って、さっさと終わらせる、というのがだいじな部分ではある。
しかし、子牛の臍の手術とか、何かの摘出手術などもあるだろう。
そういうとき、メスだけで切り込んでいたのでは出血が多くなるし、傷つけたくない組織を傷つけ易い。
手術は、切るのではなく、分ける、剥がす、でできれば出血も、余計な損傷も少なく、術後の状態も良い。
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そのためには、剪みを上手に使う。・・・・・のだけどその剪みを選びたい。
メッツェエンバウム剪刀。
先が薄く、尖ってはいないけど幅も細い。
だから、剪みと言っても、切るよりは差し込んで広げて剥がして、分けて開いていく。
反っているのも、反っていないのもある。
剥がすには反っているのが使いやすいが、まっすぐな傷を縦に広げたいときには反っていない方が好い。
こういう刃が厚い外科剪刀と使い比べてみると良い。
メッツェエンバウム剪刀を上手に使いこなせば、あなたの手術はレベルアップする、、、きっと;笑。
それと、刃物は消耗品です。
切開用の剪みで糸を切らないようにした方が良いし、骨片の摘出に使ったりはしないし、
切れなくなったら磨ぎに出すし、ときどき買い直さなければならない。
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土曜日、午前中、子馬の肢軸異常。
中足骨が曲がっていて、成長板抑制と全長にわたる骨膜剝離。
そして、腕節も。
昼、血液検査業務。
午後、以前に鼻涙管形成をした馬の鼻涙管閉塞。
炎症産物による閉塞だった。