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Channel: 馬医者残日録
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重度のGPM

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初産した繁殖雌馬が鼻血を出して、けっこうな量が出た、とのことで来院。

分娩直後だったということで寝たり起きたりしているうちに鼻でもぶつけた、あるいは血圧上昇で・・・・

などと考えたが・・・

内視鏡を鼻から入れて喉嚢入り口のフラップを見ると、右のフラップから血が流れ出ている。

まず左喉嚢へ内視鏡を入れると

中隔上に大きな病巣があった。

いかにもカビ、という粉を吹いた瘡蓋(かさぶた)だ。

右の喉嚢へ内視鏡を入れなおすと

病巣が大きく、血餅が多くて、全容が把握できない。

が、病巣は内側と中隔上に広がっているようだ。

左右の喉嚢に10%ポピドンヨードを注入しておいた。

                -

手術しましょう。

左横臥で吸入麻酔。

右環椎翼あたりを切開して、そうメッツェンバウムで環椎翼と耳下腺の間を広げていって、

総頚動脈、内頚動脈、後頭動脈の分岐へ到る。

カテーテルを送り込んでいるのが内頚動脈であることをX線撮影で確認する。

4-2mmのマイクロコイルを押し出す。

ちょっと位置と丸まり方が気に入らない。

ひょっとすると内頚動脈から出てしまったかもしれない。

・・・・・しかし、それ以上深い追いしないことにした。

                ---

10日後の

右喉嚢。

左喉嚢。

右は血餅が消え、病巣表面が融解してきた。

こういう経過で治癒していくのは何度も経験済み。

馬は元気食欲良好で、鼻血も出ていない。

順調に治ってもらいたい。

                  -

かつては年に5-6頭、喉嚢真菌症の手術をしていた。

最近は年に1頭あるかないかになった。

何か要因があったし、それが消えたのだ。

それが何かわからない。

               ////////////////////

パークゴルフ場に集まっているのは誰だ?

ペット持込み禁止っておかしくね?

 

 

 

 


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