昼から、繁殖雌馬のひどい疝痛が来ると言う。
先の1歳の臍ヘルニアの手術が終わって覚醒室で寝ている間に来たが、トラックの中で立てない。
たいていトラックの前方を頭にして寝てしまうので、ひっぱって頭を後ろ向きにしてやると立つ。
馬だって馬運車の中で倒れていたくないのかも知れない。
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PCVと乳酸値が高いのだけ確認してすぐ開腹。
結腸捻転で、捻れ方がひどい。
結腸を引っ張り出すのに苦労したが、出してみたら結腸の損傷はひどくはない。
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別な繁殖雌馬の疝痛も頼まれていたが、よそで引き受けてもらえることになった。
そのために「無理」と断っていた外傷を「受け入れ可能」と連絡する。
蹄鉄を履いた2歳馬の飛節の外傷。
結腸捻転の手術の途中に、覚醒室で全身麻酔して処置を始めてもらう。
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翌朝、繁殖雌馬の開腹手術を始める、というので呼ばれる。
ひどく腹部が膨満している。
PCV54%。
前日の夕方も疝痛症状があったらしい。
ひどくなかったが、翌朝5時には劇症になった。
開けたら・・・ひどい。
大結腸の根部まで壊死していて厳しい。
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その手術の最中に、前夜分娩した繁殖雌馬がふるえている、との依頼。
来院したら口粘膜はひどいチアノーゼ。
白血球1500/μl、PCV64%。
腹腔穿刺して腹水中に多量の細菌があるのを確認した。
消化管破裂だ。
盲腸破裂だった。
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前日の結腸捻転馬は昼に退院していった。
入院していた新生仔不適応症候群NMSの子馬も、自力で起立し親から乳を飲めるようになって退院していった。
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馬病院も混み合う時季になった。
医療資源も限りがある。
現場の先生たちも忙しいのだろうが、しっかり判断して的確に依頼してもらわないと適切な処置ができない。