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Channel: 馬医者残日録
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9 ヶ月ホルスタイン子牛の中手骨再骨折

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5ヶ月齢の子牛が中手骨を骨折した。

ひどい骨折で、中手骨遠位骨幹端が粉砕していた。

それを牧場でキャスト固定し、なんどかキャストを巻直しながらX線撮影も繰り返した。

キャスト固定2ヶ月ではまだ骨癒合に不安があったので、もう1ヶ月固定してキャストを外した。

経過は悪くなかったが、キャストを外して20日で前回の骨折部の近位で再骨折してしまった。

という長い経過を持つ症例を相談された。

           ー

またキャスト固定されているが骨折端はかなりずれている。

ピースがある骨折で、完全な整復はピースが挟まるので無理かもしれない。

この中手骨の遠位部は前回の骨折と、長く負重していないために、骨量が減少している。

           ー

またキャスト固定しても骨癒合するかもしれない。

しかし、今回の状態もピースがある骨折で、もう体重もかなりあり、キャストの適応は悪いかもしれない。

反対肢も参ってきているので早く治したい。

プレート固定する方法もある。

しかし、治療費をかけたあげくに感染するリスクもあるし、骨折部より遠位の骨量が低く、screwがしっかり効くかも懸念される。

トランスバースピンTP(貫通ピン)を近位に入れてキャスト固定すればただのキャスト固定より体重を近位部へ逃がしてくれる。

さらに遠位部にもTPを入れれば骨折部を安定させてくれるだろう。

                  -

吸入麻酔でTPC手術をすることにした。

皮膚の上から骨鉗子をかけて整復を試みた。

完全な整復は無理のようだ。

近位に2本、遠位に2本、TPを入れた。

骨折部にlag screwを入れて骨折部を圧迫するとともに安定させておきたい。

が、うまくlag screwにならない。

対側皮質を押してしまう。

なんとか、6.5mmキャンセラスをポジションスクリューとして入れた。

この整復ではこれ以上圧迫できないだろう。

一番近位と遠位に入れたのは中央部にネジ山があるスタインマンピン。

近位から2本目はLHS、遠位から2本目は6.5mmキャンセラススクリューをTPとして使った。

私はTPCをするのは初めて。

創外固定としても好まない。

整復が不完全になりがちで、固定力も不足しがちで、感染しやすい。

今回の症例は再骨折で、特殊な例だと思う。

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まじめなかおしてるけど

顔に黄色いものがついてる

あ~タンポポの上でゴロスリしたな

 

 


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