8時半すぎ、呼ばれる。
2歳馬の疝痛開腹手術と、牛の帝王切開が重なった、とのこと。
2歳馬は先々月に網嚢孔ヘルニアで開腹している。
癒着か、あるいは網嚢孔ヘルニアの再発か・・・しかし、網嚢孔ヘルニアの再発はあまり経験がない。
開腹したら、ひどく浮腫を起こした大腸が見えた。
結腸捻転だった。
昼から痛かったようで、かなり時間が経っていたが、内容を排泄し、捻転を整復したら色調は回復した。
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X線室では牛の帝王切開中。
3産目だが、大きくなる種をつけていて、10日ほど予定日を過ぎている。
腹腔内で子宮が裂けていたそうだ。
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もう1頭疝痛馬の依頼。
9歳繁殖雌馬、4月末分娩、7時半から痛い。
来院したら疝痛症状は見せない。
うってきた鎮静剤が効いているのと、子馬を置いてきたので興奮しているのだろう。
血液検査所見は悪くないが、超音波でひどく膨満した小腸が見えた。
直腸検査でも牧場にいたときとかわらず小腸ループに触る、とのこと。
「開けましょう」
メッケル憩室腸間膜が遺残していたことによる空腸回腸捻転だった。
一部は完全に壊死している。
その部の腸間膜の血管を結紮止血して手術台から垂らす。
切開して内容を捨てる。
小腸のほとんどがひどく膨満していた。
回腸のほとんどは傷んでいなかったので、空腸下部の壊死部を切り取って、空腸回腸で端端吻合した。
回腸は厚いので、内反させて二層縫合すると狭窄する。
1層目は腸粘膜を連続縫合し、2層目は筋層、粘膜下織を合わせるように連続縫合した。
腸間膜を縫い合わせて、内容が容易に吻合部と回盲部を通過することを確かめて、あとは閉腹。
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手術の最中に日付が替わった。
この日はわたしは誕生日。
きょねんも開腹手術の最中だったか・・・・
Birthday partyのお客様。
一晩泊まって、翌日の午後、帰っていかれました。
Birthday party のお客様2号。
翌朝、子馬を連れてきて、夕方いっしょに帰られました。