Quantcast
Channel: 馬医者残日録
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1690

疝痛の超音波検査は過剰診断 overdiagnosis に注意

$
0
0

夜間放牧明けの繁殖雌馬。

疝痛で治まらない。

直腸検査で「捻れている」ような所見あり、ということで来院。

しかし、痛くない。

直腸検査したが、妊娠子宮しか触れない。

右肋部からの超音波検査で結腸動脈が見えた。

結腸動脈周囲も少し浮腫があるかも・・・・

そもそも体表から結腸動脈が見えるのがおかしい。

しかし、疝痛がないので入院厩舎で様子を観ることにし、1時間以上観察したが大丈夫なので帰って行った。

                   -

疝痛で当歳馬が来院。

来院したら疝痛はない。

超音波検査で、腹底で異常な肥厚した腸壁らしきものが見えた。

どう見ても腸壁だ。

肥厚している。

しかし、疝痛は治まっている。

午後まで入院厩舎で様子を観てもらった。

数時間は食欲がなかった。

しかし、疝痛はない。

徐々に食欲を示すようになり、帰って行った。

                   -

2頭とも翌日以降も疝痛はなかった。

繁殖雌馬の方は、軽度の結腸変位だったのかもしれない。

幸いなことにガスや便が抜けて、変位も正常な位置に戻ったのだろう。

当歳馬は、回腸が何かに締められていたのかもしれない。

どこかから抜けるか、締めていた大網?索状物?が切れて閉塞が解除され、腸管の浮腫も徐々に消えた、のかもしれない。

                -

手術か、解剖か、どちらもしなかった疝痛は正確なところは何が起きていたかは確証はない。

超音波画像検査は、overdiagnosis 過剰診断に気をつけなければならない。

             ////////////////////////

 

上空の大気不安定。

晴れたり、雨が降ったり、天候も安定しない。

そろそろ冬がやってくる。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1690

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>