馬は切歯を何かにひっかけて折ってしまうことがある。
ひどければ切歯にワイヤーを巻いて固定するが、抜いてしまってよい場合はとってしまう。
馬の切歯は切歯骨の歯槽にしっかり埋まっているので、病名としては「切歯骨骨折」ということになる。
2歳馬が上顎の切歯をめくってしまった、との連絡が入っていた。
1歳のときに片目を失明していて、競走馬にはならず、繁殖供用する予定の馬。
切歯は中央から2歳、3歳、4歳と生えかわるので、簡単に固定できないなら抜いてしまえば良いかな、と考えていた。
来てみたら・・・
ひどいんでしょ。
割れたところからとってしまうと、かなりの部分がなくなってしまう。
鎮静剤をうって、
眼窩下孔でブロックして、
傷を洗浄して、
なんとか折れた切歯を元の歯槽にはめるように整復して、
プラスチックの結束帯でギュッと巻いて、さらにワイヤーで締めた。
もともと左側2番目と3番目の乳切歯は抜けていたようだ。
このあと歯肉を縫合した。
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口にくわえさせているのは塩ビ管のマウスピース。
中に伸縮性包帯を通して、耳の後ろで縛ってとめてある。
気管挿管するときに使うものだが、こういう使い方をすると切歯を処置するのに便利。
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鼻ねじりはわざと上から鼻先を通し、上唇を上へ引っ張っている。
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今年も風が吹いた秋の日もあったのだけど、
今年はカシワの葉が残っている部分もある。
このカシワたちを見ると高い梢の葉は落ちて、低くて風が当たらない部分が残っているのがわかる。
この辺りのカシワが葉を落としてしまうのは、丘の上で風が強いからなんだろう。