夜、休養馬が食道梗塞を起こしているとの依頼。
準備をして待っていたら、「立てなくなったので明朝まで絶食して様子を観る」との連絡。
その電話の最中に、「分娩後5日の繁殖雌馬が疝痛」との依頼。
夕方からの疝痛で、一度は治まったように見えたが、今はゆっくり診ていられないくらい痛い様子。
これは即手術だな、と思って第2当番も呼び出す。
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来院したらかなり痛い。
PCV58%、すぐ開けましょう。
仰向けにしたらいかにも結腸捻転という腹の膨満のしかた。
開腹したらすぐに紫がかった色調の大結腸があった。
ガスを抜こうとするが液状の内容が多くて針が詰まってしまう。
結腸壁も浮腫を起こしていてもろそうで気を使う。
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終わって午後11時20分。
覚醒起立して入院厩舎へ行ったのが12時半。
夜中に働く季節がやってきた。
もう子馬の膀胱破裂も来たし、
難産も来たし、
これで、分娩後の繁殖雌馬の結腸捻転も来た。
やれやれ、馬産地の春が来たようだ。
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家畜保健衛生所が注意のFaxを送ってくれているが、十勝で馬パラチフスが発生している。
サルモネラによる馬に流産を起こす病気なのだが、非常に嫌な病気だ。
牧場に入ると「流産の嵐」を引き起こす。
以前から道東の重種馬では散発している。
春になると乳母馬が足りなくなって道東からでも借りてくることがあるのだが、とても心配だ。
十分な注意が必要だと思う。
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そういうと、結腸捻転した馬の子馬が私が今シーズン見た初めての子馬になった。
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飲めなくなって、食べなくなって、もう長くないかと思ったが、また少し食べられるようになった。
食いしん坊だったからね。
いつも腹をすかしてた。
食欲がないとか、食べものを残すとか、好き嫌いをするとかはまずなかった。
相棒の願いは、「腹いっぱい食べてみたい!」なんじゃないかと思っていた。