分娩前後の疝痛のひとつに盲腸便秘がある。
妊娠末期の妊娠子宮に圧迫されて動きにくいとか、結腸へ内容を送り出しにくいとか、
重労働である分娩の負担とか、
分娩後の飼養管理の急激な変化(数日放牧しなくなる、急にエサを増やす、急にエサを変える)
などが要因なのだろうと思う。
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盲腸便秘はひどい疝痛を起こさないし、
直腸検査で便秘塊を触りにくいので診断しづらい。
便秘か?
と気付いて、絶食し、下剤をかけたり、経口電解質液を飲ませても、結腸便秘より通過しづらい。
いきどまりの大きな袋である「盲」腸だから。
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いよいよ開腹手術になるころには、とんでもなく膨満していて危ない状態になっていることもある。
手術台上で馬を左に傾けると、腹腔の右にある盲腸を術創から出しやすい。
そして、盲腸尖を切開し、盲腸の内容を排泄させる。
結腸の内容を洗い出すのと同じように、ホースで水を入れて押し出す。
盲腸の背中側、盲腸底まで空にすることがだいじ。
術後、盲腸が動き出さない(蠕動、収縮する能力を取り戻さない)なら、空腸結腸吻合が必要かもしれない。
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な~にをしていたの
な~にを見ていたの
私の知らない横顔で
ーーーーLemon 米津玄師