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Channel: 馬医者残日録
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2歳馬の結腸右背側変位

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朝、繁殖雌馬の臼歯摩滅異常。

全身麻酔して歯根間隙の拡張を行う。

        -

2歳馬の疝痛の急患。

朝飼いを食べてから痛い。

転がるほど痛かったが、激烈というほどではない。

フルニキシン効く。

来院して超音波検査で左腎臓描出できず。

右で結腸肥厚は確認できず。結腸動脈も見えない。

直腸検査で・・・・大きい馬で左の腎臓の尾側に指が届くが、腎脾間は十分には触れない。

結腸左背側変位ではなさそう、しかし完全否定はできない。

来院してからは疝痛を見せない。

一旦、帰って様子をみましょうか。

          ー

午後の診療が終わる頃、牧場へ戻ったらまた痛い、との連絡。

再来院してもらって、直腸検査と超音波所見が変わっていないのを確認して開腹。

腹囲はさほど膨満していない。

盲腸が出てこない。頭側へ行っている。

結腸も当たり前の位置ではない。

右側結腸の動脈が外側向いていて、結腸根部から尾側へ走っている。

右背側変位だ。

慎重に引っ張り出す。

もう一度腹腔へ戻して、今度は盲腸結腸ヒダから引っ張り出す。

それで右側結腸、横隔曲と胸骨曲、左側結腸、そして結腸動脈が内側、と整復できた。

          ー

この結腸右背側変位は、現役競走馬でときどきあるらしい。現役競走馬では比率的に多い?

生産地では繁殖雌馬でまれに起こる。

内科治療で治ることがあるとされているが・・・今回のような経過と開腹した印象では、保存療法で治るとは思えない。

        /////////////

モクレン・サンライズ。

たしかに、チューリップ的かも;笑

 

 

 

 


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