朝、繁殖雌馬が来院していた。
前日も疝痛で、ひどくはないが、その朝も痛い。
何年も前に開腹手術歴がある19歳。
胃逆流が32リットル。
開腹したら空腸がどこかへ入り込んでいるように感じる。
術創を頭側へ伸ばすと、大網が空腸を絞扼していたのだった。
大網を切除すると簡単に解けた。
40cmほどは赤紫になって完全に壊死している。
そこを含めて60cmを切除し、端端吻合した。
以前の腸管手術と関係していたのだろうが、癒着はほとんどなかった。
術創ヘルニアがあったので、閉腹には注意が必要だった。
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終わった頃、当歳馬の疝痛の依頼。
臍ヘルニアがあった子馬が今朝は嵌頓し押し込めないし、発汗して「はらが痛い」。
急いで来て。
来院してすぐに開腹、というか臍を切り広げた。
空腸が2箇所で臍へ入り込んでいた。
変色と肥厚があったが、しばらく見ているうちに回復した。
これなら切除しないで大丈夫だろう。
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午後の手術の予定は時間をずらしてもらっていた。
その馬が向かっている頃、また疝痛の依頼。
昼夜放牧している繁殖雌馬11歳。
1時に放牧地で疝痛発見。
来院したが立っていられないほど痛い。
PCV47%、ひどい腹部膨満。
急いで開腹したが、結腸はひどい色。
内容を抜いて、捻転を整復したが、ほとんど回復しない。
粘膜も粘膜下織も暗黒赤色。
結腸動脈の拍動も弱い。
あきらめる。
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その前に当歳馬の疝痛の依頼も来ていた。
来院したらなんとなく落ち着いている。
超音波で小腸が膨満しているが、動いている。
胃拡張あり。
胃チューブを入れたら、赤褐色の液体が数リットル抜けた。
ひどい胃拡張で出血しているのだろう。
ロタ陽性だそうだ。
ロタ腸炎の初期の疝痛のようだ。
帰って様子観ましょう。胃潰瘍に気をつけて。
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暑い日が続いているが、特に今日はひどく暑い日だった。
馬もまいっているのだろう。
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いくらかでも涼しく過ごせるような工夫が必要かもしれない。
新鮮な冷たい水を飲めるようにしてやることも大事。
そして、食わせすぎに注意。