紹介してきた馬のプレート固定の基本の説明文を、多くの教科書で書かれているのは J. Auer 先生。
AO Vet の会長だった大先生だ。
基本の基本なので、誰が書こうとあまり異なった書き方や内容にはならないかもしれない。
ー
これはIan Wright 先生の Fracture in the Horse の記載。
Principles of Plate Fixation の段。
小動物と人では、プレートの長さと幅のガイドライン、すなわち骨折部の全長との関係におけるプレートの長さ、が用いられてきた。
この係数は、多片骨折では2~3倍以上、単純骨折では8~10倍以上(プレートは骨折部より長くする)べきだ。
馬では、プレートは骨の全長にわたるようにする。
長いプレートはそれぞれのスクリューにてこの力として増強されて働く引き抜き力を減少させる。
ー
人や小動物のプレート固定で”基本”として唱えられていることと、馬整形で”理想”として書かれていることは異なるのだ。
馬のプレート固定は難しく、うまくいかないことがあるからだ。
牛では、馬に準じてプレート固定するのが良い。
小動物より重い個体を相手にしなければならないことがあり、
手術後すぐに立ち上がり、歩き回り、
経済性が優先されるからだ。
ー
Fractures in the Horse の続き。
人や小動物では通常、より短いプレートが使われるが、最少でも3本の対側皮質にもスクリュー(皮質骨6箇所)を骨折部の両側それぞれに効かせるべきだ。
馬の長骨骨折では、少なくとも4本のスクリューが効いていることが望ましい。
プレートは骨の全長に伸びているし、全てのスクリュー孔にスクリューを入れるので、この最少の要件は普通は完全に達成される。
ー
子牛や子馬で、骨折部が骨の中央ではなく、骨幹端であったり、骨端部骨折だったりすると、この最少の要件、スクリュー4本、譲歩しても3本、というのは達成できなくなる。
そして、子牛や子馬の骨幹端や骨端は皮質がひどく薄く、軟らかい。
馬なら角度安定性があるLCP/LHSを使うが、値段が高い。
子牛なら、骨幹端や骨端には 6.5 mm 海綿骨スクリューを使うのが良いだろう。
ー
人や小動物と、大動物、馬と牛の整形外科では基本と理想からして違う。
牛では骨折内固定の教科書さえまだないので、馬整形外科の教科書を参考にするのが良いと思う。
//////////////////
今年も、ハナカイドウが、これでもか、というように咲いた。
持って生まれた性質なのか、肥料のやり過ぎなのか、
なんなんだろう・・・・・