Quantcast
Channel: 馬医者残日録
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1691

前夜

$
0
0

今朝、相棒と散歩に出かける早朝、急患が来ているんだな、と思っていた。

定時に出勤したら、その急患は仔馬の疝痛とのこと、もうダメらしい。

外傷の急患もこれから来るという。

その外傷がこれ。

人が見ている前で他の馬に蹴られたのだそうだ。

鋭いもので切ったように裂けている。

馬の一撃の恐ろしさ。

膝のお皿、つまり膝蓋骨が削れていた。

                      -

4歳競走馬の跛行診断を予定していたので、途中で診察を開始する。

アスファルトの上で速歩で乗ってみせてくれた。

たしかに跛行がよくわかった。

X線検査して、いくつも病変を見つけた。

                      -

ついで来た馬は19歳。

若いときは噛む、叩く、蹴るのとても危ない馬だったそうだ。

体重計に乗せようと私が馬を押しているときに教えてくれた。

たいていそういうもんだ。

蹴られてから、「獣医さん、この馬蹴るんだよね。」

                      -

午後は、1ヶ月前のTieback&Cordectomyの再検査。

左披裂軟骨の外転良好!

                      -

それから1歳馬の下顎骨折。

ほそぼそとしか食べられないのでプレート固定することにした。

minimally invasiveでDCP固定した。

魔法のようだろ;笑

                      -

それから仔馬の剖検を2頭。

膿瘍を巻き込んでおきた小腸捻転。肺にも化膿巣がある。

細菌培養してみるまでもない。

Rhodococcus equiだ。

もう一頭はこの数日起立困難だった仔馬。

ひどい腹腔内膿瘍。肺膿瘍の痕もあった。

細菌培養してみるまでもない。(でも、ちゃんと培養して確かめるんだけど;笑)

Rhdococcus equiだ。

もっと予防と早期発見を一生懸命やるべきだと思う。

まさに命が懸かっている。

そのためには専門的知識が必要で、獣医師はそのために居るのだと私は思うのだが。

                       -

明日は生産地シンポジウムなので、前夜レセプションへ出る。

44回目だそうだ。

昔は、静内文化センターでやっていた。

冷房もなくて、カーテンを閉めて、暑い部屋に人があふれて。。。。。その熱気を覚えている。

最近は冷房が効き過ぎるので、ジャケットを着ていくことにしている;笑

                     //////////////////

「前夜」

今度の物語は、ジャック・リーチャーがまだUSA陸軍憲兵だった頃の話。

後に流れ者の英雄になる男が、階級社会でどういう風だったか興味をそそられた。

前夜(上) (講談社文庫) 小林 宏明 講談社

バイオレンスは控えめで、推理ものの趣き。

それでも、後始末のつけかたはジャック・リーチャーならでは。

自分の中に行動規範と自分なりの正義感を持っていて、妥協せず、実行してしまうところが読者に爽快感を与えるのだろう。

前夜(下) (講談社文庫) 小林 宏明 講談社

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1691

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>