仔馬が生まれ始めているようだ。
血液検査で、IgGほかを測るベビーチェックがきはじめている。
そろそろ難産の季節でもある。
筋トレを始めた方が良さそうだ。
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馬の重度の難産では、全身麻酔して後肢を吊り上げる方法で失位整復して娩出させることが多い。
われわれは、平成6年に北海道産業動物獣医学会でこの方法を発表して、賞をもらった。
馬の難産は怒責が強くて押し戻せない。それで失位整復ができないので、全身麻酔して胎仔を押し戻すことで失位整復して娩出させる。
この方法を汎用し始めて四半世紀になるわけだ。
が、母体にはかなりの負担がかかる。
後肢、とくに飛節は過伸展し、覚醒起立時やその後に足元がおぼつかなくなる馬がいる。
呼吸はかなり圧迫を受ける。腹腔臓器の重さが肺が膨らむのを妨げる。
仰向けに近いと後大静脈が圧迫されるだろうし、心臓も肺と同じく圧力を受ける。だから循環器への負担もある。
それでできるだけ高くは吊らないようにしている。
また、写真で観てわかるようにできるだけ下にマットを入れて後肢の負担を減らすようにしている。
頭半身は横臥状態なのが良いかもしれない。
麻酔は静脈麻酔で行っていて、最近ではプロポフォールを使うようになったので、覚醒起立の質はかなり良くなった。
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サラブレッドは、体重比で心臓や肺が大きい。
この方法に耐えるためには優れた特性ではある。
重種馬では、この方法を行うときは十二分の注意が必要だと考えている。
体重が重く、運動不足で、循環器系はサラブレッドより機能が低いと思うからだ。
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人医療ではトレンデレンブルグ体位と呼ばれる下半身を高く、上半身を低くする体位が使われることがある。
かつてはショックのときに使うことがあったようだが、利点がない、かつリスクがある、という結果が知られるようになっている。
意識がある人はこの体位に耐えられない。呼吸が苦しいからだ。
ショックに対する効果を期待してこの体位を使うことはもうない。
急峻に頭を下げると眼内圧が危険なほど上昇する。(変更引用終了)
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さて、牛の子宮脱や子宮捻転でこの方法がどうか? 応用するとしたらどのように実施するか?
私はまったく経験がなくわからない。
使えると思うし、良い方法であるかもしれない。
しかし、充分に注意して使う必要があると思う。
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本屋で見かけて、カヴァーの絵に惹かれたけど買わなかった。
書評が良いのを見て、古本を1円で購入した。送料はかかる。
なかなか楽しみにしながら読めた。
しかし、人物の設定は安直だし、クライマックスは現実離れしているし、物語の軸になる「敵」も無理がある。
犬との関わりは良かったかな。
しかし、「ウォッチャーズ」には遠くおよばない。