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Channel: 馬医者残日録
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結腸の肥厚?を超音波検査で判断する

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前の晩、分娩した18歳の繁殖雌馬が、次の日の昼から疝痛で徐々にひどくなった。

3時半にフルニキシンを投与しても効果なし。

かなり痛みが強くなって、夕方6時に来院した。

立っていられなくて寝てしまう。

口粘膜は蒼白。

PCV52%、乳酸値2.8mmol/l。

子宮動脈破裂か?

超音波検査しても、腹腔内に出血はなさそうだ。

そして、

右下腹部で、かなり肥厚した結腸壁が見えた。

手術しましょうか・・・

開腹したら結腸捻転だった。

結腸の色はかなり悪かったが、捻転を整復したら色調は回復した。

結腸骨盤曲の切開部の粘膜はアズキ色。

                        -

翌朝、仔馬を連れて来て、まだ点滴中のおかあさんと一緒にした。

具合が悪いのにたいへんだが、いつまでも離しておくわけにもいかない。

ガンバレ。

                       ---

 翌日、現役競走馬が疝痛で運ばれてきた。

来院したときには、疝痛は治まっているようだった。

PCV46%、乳酸値も微増程度。

しかし・・・

右下腹部で見えた結腸壁は肥厚しているように見えなくはない。

う~ん・・・・・

入院厩舎に入れて1時間ほど様子を観たが、疝痛なし。食欲旺盛。

もう一度、直腸検査しても結腸壁の肥厚はない、とのこと。

そのまま退院していった。

結腸の肥厚を超音波で判断するのは難しいことがある。

ひどく肥厚しているときははっきりわかる。

しかし、微妙な場合は難しい。

結腸捻転でも、水腫は結腸動脈沿いにしかない症例もある。

難しい。

                 ///////////

オラはとうちゃんが出かけるのはすぐわかる。

白衣着てないからな。


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