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Channel: 馬医者残日録
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PCV36%の小腸捻転

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きのうは・・・競走馬の腕節chip fracture の関節鏡手術を午前と午後にやって、

ほかにも、x線撮影やら、なにやら、

夕方、1歳馬の疝痛の来院。

夜間放牧していて、朝、疝痛を発見した、とのこと。

日中、転がるほど痛かったらしいが、他の1歳馬の疝痛と重なったりもして来院と診察が遅れた。

で、夕方になったのだが、血液所見はひどくはなかった。

しかし、超音波で小腸の膨満が見えるので、「もう開けた方がいいです」。

症状と経過から回盲部の閉塞を疑ったが、りっぱな小腸捻転だった。

空腸下部から回腸にかけての1mほどが纏絡していた。

結腸捻転とならんで、もっとも痛い腸捻転だ。

回腸を盲端にして、空腸下部を盲腸につないだ。

この馬、回腸が盲腸背側紐だけでなく、盲腸内側紐にもつながる腸間膜を持っていた。

                        -

今日、1歳の顔面陥没骨折のプレート固定手術の最中に1歳馬の疝痛の依頼。

顔面骨陥没骨折はプレート3枚を使う大手術になった。

終わって、来院した1歳馬はまだ寝てしまうほど痛い。

血液はPCV36%、乳酸1.4mmol/l。

超音波検査で、結腸壁が肥厚しているかな?と見えた。

左の腎臓と脾臓がしっかり見えて、結腸左背側変位は否定。

動いているが、内容が多い小腸が見えた。

鎮静剤投与して、直腸検査したら、膀胱が大きくて邪魔だが、その奥に膨満した小腸が触れた。

「血液所見は悪くないので、もっと経過を観ることもできるけど、開けた方が良いです」

                      -

開腹したら空腸が大きなループどうしで絡んでいた。

多少色が変わっていたが、ほどけたら色は回復した。

手術が遅れなくて良かった。

絡んでいた部分が長かったので、全体が壊死していたらたいへんな手術になるか、あるいはあきらめなければならなかっただろう。

                     ///////////////

地元の幌村建設会社が、もう20年近く前に桜の苗木をたくさん植えてくれた。

ほとんど全部の苗木はシカにやられて消えてしまった。

しかし、この1本だけ生き残って、今年はたくさん花を咲かせた。


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