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Channel: 馬医者残日録
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干からびていても、汚れていても、凍っていても、瞼を切り取ってはいけない

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正月に上瞼を切ってしまった休養馬。

前の朝に見つけて、老齢の獣医さんにたのんだが診てもらえなかったそうだ。

乾燥して縮こまっている。

上瞼でも下瞼でも、干からびていようが、汚れていようが、凍っていようが、切除してはいけない。

瞼はただの皮膚ではなく、目の保護に重要な役割を果たしている眼器官だからだ。

瞼に欠損が起こると、風が吹いただけでも涙をこぼすようになってしまう。

角膜を涙で潤せなくなる。

切り取ってしまうと再建はかなり困難になる。

眼瞼の縫合は、ほとんどの馬で立位でできる。

鎮静と、眼の周りの神経ブロック(たいていは眼窩上孔だけで大丈夫)と、必要なら浸潤麻酔。そして鼻捻じ。

乾燥して縮こまっていた血餅をデブリドしたのが、上の画像。

瞼は血行の良い組織なので、こうなればあとは縫合すればよい。

眼瞼結膜へ糸を出さないこと、まず眼瞼縁を合わせるように一糸留めること、皮膚と内層を縫うこと、がコツだ。

縫合後の写真は・・・撮り忘れた;笑

                     ///////////////

六甲さんにめったに降らない雪が降った。

北海道から雪を連れて来たのは誰だ!?

パノラマ写真も縁をきちんと合わせるのがコツ;笑

 

 

 


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