午前、競走馬の腕節chip fracture の関節鏡手術。
午後、2歳育成馬の頭頂部の瘻管の切開切除処置。
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chip fractureの手術をしていると、
「骨片は大きかったですか?」
と聞かれることが多い。
たしかに骨片の大きさは骨折のダメージの大きさと関係する。
ただ、骨折は複数個所であることも多いし、
骨折以外に骨関節症が問題である関節も少なくないし、
骨片はいくつもに割れてしまっていることもしばしばで、
さらには骨折部位の軟骨損傷が大きいこともまれではない。
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横幅は1.6cmほど。
橈骨遠位、外側関節面の骨片としては標準的な大きさだ。
ただし、この骨折とともに関節面の軟骨が剥がれてしまっていた。
これもまた珍しくはない。
関節面の辺縁から奥行き1cm以上にわたって軟骨が欠損したことになる。
軟骨はx線画像には写らないので、術前も術後も評価の対象にはされていないことが多い。
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腕節のchip fracture の重症度をきちんと程度分けgrading した症例検討成績は少ない。

McIlwraith先生のArthroscopy in the Horse 4th ed.にも1987年のご自身の報告が引用されているだけだ。
1. 骨片による欠損の辺縁のけば立ちや砕片は最小で、骨折線から5mmを超えない。
2. 関節軟骨の変性は欠損部から5mm以上だが、骨の関節面の30%までにおさまっている。
3. 損傷を受けた腕節骨の関節軟骨の50%以上が失われている。
4. 軟骨下骨の明らかな喪失(ふつうは橈側手根骨の遠位の病巣)
となっている。
実に30年近く前に報告された調査成績だが、McIlwraith先生は骨片の大きさよりも関節軟骨の損傷や、軟骨下骨の変性の方が予後に関係すると考えておられたのだろう。
その後も、腕節骨折の重症度をひろく程度分けして予後と相関していたという学術報告はない。
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日中は0℃を超えるので雪や氷も融けたりする。
-50℃になるロシアの世界最寒地では雪の上を夏タイヤでも走れるそうだ。
雪も氷も融けないので水分ができないので滑らないとのこと。
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でないと自分のオシッコで濡れるヨ