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Channel: 馬医者残日録
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5月半ばの産科事故

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先週は、またまた子宮穿孔が来院した。

子宮角先端近くだったが、かなり大きく破れていた。

この季節の分娩の事故なので、もう今年は雪が多かった、などということとは関係ないだろう。

今年どうして子宮穿孔が例年の何倍もあるのかわからない。

                    -

子宮が破れて腹膜炎症状で来院するのもが多いが、大きく子宮が破れるとかなり腹腔内への出血量も馬鹿にならない。

出血性ショックを判断することと、超音波で腹腔内出血を診断すること、そして、子宮動脈破裂と混同しないことが大事かもしれない。

                    ---

きのうは夕方難産。

前肢が屈曲、頭も直せない、子馬は生きている、ということで来院。

破水から1時間半経っていたが、子馬は動いていた。

前肢は膣へ入ってきていた。横胎向。

チェーンをかけて、捻り気味に少しひっぱるが頭も横向いている。

後肢は来ていない。

頭を直したら、引張るしかない。

子馬はすでに鼻で息をしている。

男手4人で引張って、子馬の腰まで出たが、そこから引き出せない。

子馬の骨盤がひっかかるヒップロックではない。後肢が抜けないのだ。

子馬は息をしながらうめいているので速く出してやりたいが、こちらの息も続かない。

方向を変えて引張っても抜けてこない。

捻って引張ったら、子馬の下半身は捻れながら抜けてきた。

子馬の後肢が横胎向気味になってひっかかっていたのだろう。

                   -

「もう5月も末だから分娩事故もないですよね」

「そんなこと言ってると、今晩また来るゾ」;笑

                 /////////////

そして、翌日、妊娠末期の疝痛を開腹することになった・・・・・・

 


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