立位での中手骨骨折スクリュー固定
2ヶ月前に競馬場で中手骨の外顆を骨折した競走馬。 保存療法で大丈夫だろうと判断され、サンシャインパドックに出せるようになって生産地に戻ってきた。 が・・・・・ こうなっているのが判明した。 外顆の骨折でも螺旋骨折へと悪化することがある。 初期にスクリュー固定すべきだったのだ。 骨幹部に斜骨折しそうな亀裂があるので、全身麻酔するのは危険だ。...
View Article子牛の肋骨骨折による気管狭窄
生後数週の黒毛和種子牛が呼吸が苦しくて、喘鳴がある、ということで来院。 胸部のX線撮影で、 胸腔の入り口で気管が狭窄している。 しかし、肩関節と重なってわかりにくいので・・・・ 抱えて倒して、左右の前肢をできるだけ前へひっぱって撮影した。 どうやら第一肋骨が折れていて(矢印)、その部分で気管が狭窄している(矢頭)。 分娩時に肋骨が折れて、骨折部が骨増勢したことで気管が圧迫されているのだろう。...
View Article重症のクラブフット
ひどいクラブフットは、 こうなる。 装蹄師さんが蹄踵部を落として、装蹄してくれて、この状態。 踵が浮いてしまっている。 - 立位で深屈腱を切断した。 とたんに蹄踵を着いて歩けるようになった。 そうなったら、もっと蹄踵を落として、蹄骨の底面を使って負重できるようにしたい。 運動させた方が良い。動かないでいると、深屈腱はたいして伸びないで癒合してしまう。...
View Articleロドコッカス肺膿瘍の初期の画像診断
子馬のロドコッカス感染症は、30日齢から45日齢で発症する子馬が多い。 それ以降に発症するのは、初期症状がないか、見逃しているのだろう。 おかしいと思ったら血液検査をして、炎症像がないか調べてみるのが良い。 あるいはロドコッカス感染症が発症する牧場は、日齢によって血液検査してみると良い。 炎症像があったら気管洗浄して、ロドコッカスが分離されないか検査すると良い。...
View Articleデジカメ撮影 眼
症例の相談でときどき写真をおくってもらうが、あまり写りがよろしくないのが多い。 多くの原因は、暗い馬房の中で撮影するからだ。 写真は光による画像なので、光が撮影対象に当たっていないとまともに写らない。 暗いところで撮影するならフラッシュが必要だが、携帯電話やスマホはバシャっていう光量の多いフラッシュ撮影はできない。...
View Article5月半ばの産科事故
先週は、またまた子宮穿孔が来院した。 子宮角先端近くだったが、かなり大きく破れていた。 この季節の分娩の事故なので、もう今年は雪が多かった、などということとは関係ないだろう。 今年どうして子宮穿孔が例年の何倍もあるのかわからない。 - 子宮が破れて腹膜炎症状で来院するのもが多いが、大きく子宮が破れるとかなり腹腔内への出血量も馬鹿にならない。...
View Article子馬の臍のトラブル
子馬には臍のトラブルが多い。 胎仔は臍から酸素や栄養をもらって発育してきたのだが、生まれてからは感染の入り口になったりする。 臍の閉まり方が悪いと腸管が膨らみ出る臍ヘルニアになる。 - 前夜、生まれた子馬が臍ヘルニアだとのことで来院。 一般状態は悪くないが、かなりの量の腸管が臍の中に出ていて、調子が悪くなる、とのこと。 来院したら、子馬は赤い舌を口から出していた。...
View Article満員御礼 過食の季節
午前中、予定の診療。 その間に、当歳馬の疝痛が来院。 親のカイバをよく食べる当歳馬なのだそうだ。2ヶ月齢弱。 超音波で小腸の膨満像が見えた。 しかし、痛みが治まったように見えたので、入院厩舎で観察することにした。 昼前、やはり痛くなったので、開腹手術した。 回腸に食べたものが詰まっていた。 食べ過ぎたのだ。 - 私は今週午後は検査業務。...
View Article子牛の脛骨遠位粉砕骨折のプレート step remove
脛骨遠位を粉砕骨折した黒毛和種子牛。 LCPとDCPでダブルプレート固定した。 術後1週間だけキャスト固定し、その後はキャストなし。 手術から1ヶ月。 子牛は本当に骨癒合が良好だ。 プレートが2枚入っていると、骨癒合を評価しにくい。 しかし、すくなくとも1枚は抜いても大丈夫そうだ。 成長板をまたぐ内固定をしているので、あまり長く内固定していると悪影響がある。...
View Article疝痛の季節到来
日曜、夕方からホルスタイン育成牛の橈骨骨折。 もう300kgほどあるので、ブロード(厚くて幅が太い)DCP2枚で内固定。 立てないままトラクターで運ばれてきたが、歩いて帰って行った。 - そのあと、繁殖雌馬の疝痛の依頼。 16歳なのだが、ビュンビュン後へ蹴る。 それで、体重測れず、16歳だが吊起帯も危ないので使わず。 結腸の膨満はひどかった。...
View Articleホルスタイン300kgの橈骨近位骨幹斜骨折のdouble DCP 固定
その育成牛は11ヶ月齢。 ロープで繋いでいたら暴れたらしく、右前肢を負重できなくなった。 X線撮影で橈骨骨折が判明して相談された。 手術する気があるなら、副木を当てて運ぶよう指示した。 「考えさせてくれとか、明日とか言うならやめておいた方が良い。開放骨折になるし、整復できなくなる可能性大。」 - 牛はもう立てなかったのだそうだ。...
View Articleフレグモーネ 蜂窩織炎の治療
フレグモーネ 蜂窩織炎は皮下織の細菌感染で、馬では良く見られる。 フレグモーネの治療をどうすれば良いか、馬の獣医さんが居ない地域の人から訊かれもしたので、整理しておきたい。 - 考えておかなければいけないのは、よくある病態なのだが、こじらせると治らなくなるということだ。...
View Articlefifty eight 58
58になった。 30になるときも、40になるときも、50になるときも、その数年前から身構えていた気がする。 60を前にして、充分に身構えているかというと、まだ心積もりが足らないような気がする。 55を超えて、はっきりと衰え、老化、退化、劣化を感じている。 これから、それは加速していくのだろう。 -...
View Article1歳馬の回盲部重積でアミラーゼ・リパーゼが上昇していた
もう1週間疝痛が続いている、とう1歳馬。 とくにその日は疝痛が強い、ということで来院。 「胃カテ入れて胃拡張があるなら減圧してきて」と言ったが、 「超音波で十二指腸は張ってないんで」とのこと。 来院したら、PCV53%。 超音波で胃拡張が観えた。 胃カテを入れたら、胃液が16リットル回収された。 1歳馬だ。胃破裂寸前。だったろう。...
View Article当歳馬の第3腓骨筋腱付着部骨折
その当歳馬は牧柵にぶつかったらしい。 単管が曲がっていたそうだ。 後膝の外側が腫れて、ひどい跛行。 徐々に跛行は軽減したが・・・・ X線撮影したら、 この所見は大腿骨外側滑車の離断性骨軟骨症OCDと間違われることがある。 しかし、大腿骨外側滑車のOCD好発部位より遠位で、”伸筋窩”とされる部分。 この部位には第三腓骨筋腱が付着している。...
View Article子牛の脛骨遠位粉砕骨折のプレート step remove 2
子牛の脛骨遠位骨幹粉砕骨折。 LCPとDCPのダブルプレートで内固定し、4週間後にDCPを抜いた。 その3週間後、残っていたLCPを抜いた。 皮膚を大きくは切らないminimally invasive technique で。 骨癒合は良好。 子牛は元気いっぱいだった。 - 7週齢ほどになった子牛。...
View Article第三中手骨外顆完全骨折のスクリュー固定
3歳競走馬が第三中手骨外顆を完全骨折して競馬場から帰って来た。 外側関節面から外側皮質へと完全に割れている。 ふつうは、種子骨と関節面が重ならないような角度で撮影する。 しかし、掌側関節面に骨折線の中に破片がないか、角度を変えて撮影してみる必要がある。 折れた部分は近位方向へ少しずれ上がり、関節面にギャップができている。...
View Articlebeautiful day
朝、5時前から関節鏡手術のテキストを読んで復習する。 めったにやらない近位趾節間関節の章。 以前やったのは・・・・・・とカテゴリー「関節鏡手術」をブログ内検索したら、なんと2年前の今日、記事にしていた。 役に立つブログだ;笑 - あまりの朝の時間で相棒と散歩。 しばらく続いた雨が止んで、風が涼しく、まるで秋のようだ。 日照時間が長い。牧草も伸びるだろう。...
View Articleリフレッシュ
月曜、早朝から診療所で書き物をしていたら、前日から下痢をしていた子馬が疝痛で来院する、とのこと。 来たら胃潰瘍穿孔で予後不良。解剖場まで歩いて行けずに死んだ。 - 午前中は、3歳競走馬の腕節骨折の関節鏡手術。 肩甲骨を蹴られた当歳馬のX線撮影。 - 午後は、副鼻腔に篩骨血腫ethmoid hematoma がある当歳馬の骨開窓bone...
View Article歓喜の夜
きのうは1歳馬の篩骨血腫と副鼻腔炎の骨開窓手術Bone flap。 どういうわけか今月は篩骨血腫の馬が多い。 今日も6ヶ月齢の重輓馬の子馬が来院して検査したら篩骨血腫だった。 (これはさらに前日の当歳馬の篩骨血腫。副鼻腔を新生物が埋めている。) - 繁殖雌馬が疝痛で来院。 もう3時間ほど痛みが続いている。...
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