午前中、予定の診療。
その間に、当歳馬の疝痛が来院。
親のカイバをよく食べる当歳馬なのだそうだ。2ヶ月齢弱。
超音波で小腸の膨満像が見えた。
しかし、痛みが治まったように見えたので、入院厩舎で観察することにした。
昼前、やはり痛くなったので、開腹手術した。
回腸に食べたものが詰まっていた。
食べ過ぎたのだ。
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私は今週午後は検査業務。
夕方、繁殖雌馬の疝痛の依頼。
強い疝痛、腹部膨満。
来院したらトラック内で起立困難。
なんとか立たせて倒馬室へ入れる。
PCV49%。
結腸捻転だろう、と思って開腹手術したら、小腸下部がひどく膨満しチアノーゼ。
回腸を探るが腸間膜を軸に巻きついたようになっている。
術創を大きくして、膨満した小腸を引き出し、空腸下部を切開して内容を捨てる。
ドロドロの青草のペーストが20リットル以上。濃い緑色。
この季節の青草を飽食して、膨満した小腸が動けなくなって大きなループで軸捻したのだ。
内容を空にして、腹腔内へ戻していた小腸は色調が回復した。
ダメかと思ったが、切除せずに済んだ。
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雨が降って寒かった5月も、末になって急に晴れて気温が上がった。
青草は急激に伸びている。
今晩は、また疝痛が来るだろう・・・・と思っていたら、やっぱり。
片づけが終わらないうちに、繁殖雌馬の疝痛の依頼。
子馬の調子が悪くて放牧していなかったが、2日前から放牧を再開した、とのこと。
疝痛はひどくないが、超音波で結腸動脈が見えた。
浮腫はわからないが、血管そのものが怒張して見える。
開腹したら結腸捻転だった。
肥厚も、チアノーゼもない。しかし、捻じれかたは360°+180°。
それで体表から結腸動脈が見えたのだ。
盲腸と位置が代わるように捻転し、おまけに盲腸へつながっている小腸が結腸に巻きついたようになっていた。
膨満していなかったのが幸いだった。
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気性の悪い馬で、ゆっくりヨイショッとではなく、飛び起きようとして転倒する。
立ち上がったら、ソッパ(後引き)して後肢に体重をかけるので、また崩れ落ちる。
人が後に近づくと両後肢で蹴ろうとした。
なんとか落ち着いて入院厩舎へ入ったのが夜中12時半。
これで、全部の入院馬房がうまった。
「満員御礼。もう入れません;笑」
それも重症畜ばかりだ。
翌朝の回診は、2時間半かけても終わらなかった・・・・・・
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疝痛注意報発令です。
食べ過ぎに注意しましょう。
青草摂取量を調節するのが難しいことはわかりますが・・・
当歳馬は、馬回虫の駆虫が必要です。
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球節屈腱腱鞘鏡手術。
外傷性の屈腱腱鞘炎で癒着した腱鞘内をデブリドして、癒着を剥がす。
続いて、当歳馬の細菌性関節炎と骨髄炎。最初から手遅れになっていて、もう起立困難。
あきらめるしかない。
子馬の跛行で一番疑うべきは細菌感染。
午後、当歳馬の出血性肺炎。
そのあと2歳馬の球節の捻挫による側副靭帯付着部の捻除骨片の関節鏡による摘出。
さらに、当歳馬の肘の細菌性関節炎。関節洗浄。
そして、当歳馬の副鼻腔内腫瘍。ホルマリン注入療法。