岡山の2日目午前はCTとMRIと核医学のセッションを聞いた。
学生の頃、超音波画像診断装置を初めて見せられて、これが断面なのだ、ということがなかなか理解できなかった。
今や獣医科大学にはCTかMRIかどちらかは設備されていて、両方を備えた大学も多い。
セッションの中で、どなたかが述べておられたが、X線画像診断はX線による「影絵」だが、CTやMRIは被写体そのものを立像化できる。
CTは骨、MRIは軟部組織、という区分とは限らず、CTもかなり軟部組織にも使えるし、MRIに比べて検査時間が短いのも利点のようだ。
器械そのものの値段も高いが、ランニングコストも問題で、産業動物診療では畜主に負担願える症例は多くない。
大学では教育や研究のためということで牛の診療に用いることが多いとのこと。
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経済動物の診療では、ただ診断がついた、というだけでは喜んでもらえない。
診療費がかかっても、「治せる」ということになって初めて診断の意味を感じてもらえる。
その点では、治せる可能性がある病気や事故の診断や、手術前の診断や術中検査に使う適応症例があるか?も課題だろう。
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馬の核医学、シンチグラフィーも欧米では馬の臨床に取り入れられて久しい。
最も多い適応症例は疲労骨折なのだろう。
しかし、放射性物質の取り扱いに厳格な日本では、検査のランニングコストもかなり高くなる。
そして、病傷が疲労骨折にしても、腱や靭帯の付着部炎にしても、積極的な治療というよりは保存療法が選択されることになる。
診断されないまま無理な調教や競走を続けて致命的な骨折につながるリスクは減らせるかもしれないが、費用をかけて検査をする馬がどれだけいるのか想像するのは難しい。
立地条件にもよるだろう。
美浦や栗東周辺ならJRAの現役競走馬が使うかもしれないが、それらの馬も帯広や鹿児島まで検査に行くかどうか・・・・
ただ、欧米で行われているBoneScanを、日本の獣医科学生は知らない、見たことがないという状況が続くことになるのはよろしくないというのは理解できる。
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CTはこんなのもあるゾ。
私のところなら馬の骨折手術に年間10症例、肢の診断に年間10-20症例、頚椎症による腰痿の診断に50症例、頭と喉の診断に10症例くらいは使うカナ?
NeuroLogica Portable CT Scanners
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暖かい日が続いて、抜け毛がひどい。
今が一番のモコモコ、モフモフ状態なのだろう。