夜、8時半に呼ばれた。
朝に分娩した繁殖雌馬が、その後疝痛症状を示し、ひどくはないが治まらないので来院し、
超音波検査で小腸膨満像があちこちで見えた、ので開腹する、とのこと。
開腹したら、空腸のなかほどで乾燥した内容が詰まっていて、そこより上位(吻側)が膨満していた。
引っ張ると素直に出てくる。
どこかへヘルニアしていたり、捻転している感じはない。
空腸上位部は厚さは感じないが、オレンジ色がかっていた。
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その開腹手術の最中に、1時間ほどかかる牧場から難産の連絡。
地元の獣医さんを呼んでいるが、もうこちらへ運びたい、とのこと。
そのあと、地元の獣医さんから電話。
到着して手を入れてみたが、すぐに飼い主はこちらへ出てしまった、とのこと。
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頭は来ているが、両前肢の腕節を屈曲している、とのことなので、すぐに全身麻酔する。
時間が経っているので、怒責が強くて立位で整復するのは難しいだろう。
母馬の後肢を吊り上げて、
勉強に来ていた女性獣医さんにチェーンをかけてもらう。
分娩予定日より3週間早く、流産のようだ。
子馬は死んでいるので、首にもチェーンをかけておいて、すっかり出てしまっている頭を押し戻す。
で、腕節の屈曲を整復して、引っ張り出した。
子馬はまだ小さいので簡単に出てきた。
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これなら地元で出せたかもしれない。
これなら立位で枠場に入れて出せたかもしれない。
難産にまつわる検討はいつも結果論でしかない。
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私は帰ったが、そのあともう1頭疝痛馬が来院した。
分娩予定日までまだ1ヶ月ある繁殖雌馬。
消化管破裂のようで予後不良。
剖検したら、小結腸破裂だった。
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翌朝は、高齢の種雄馬も剖検。
髄膜炎だったようだが、「老衰」ということでよいのだろう。
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昨夜開腹手術した繁殖雌馬は上位空腸炎だったようで、術後も痛みが続いた。
胃カテーテルによる逆流もある。
メトクロプラミドの入った持続点滴はオーダーしておいたのだが、加えてリドカインの点滴も必要になった。
幸い、リドカインの点滴には反応しているようだ。
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午前中は予定のTieback.
その最中、2歳馬の疝痛の依頼。
来院したら予想どおり結腸左背側変位だった。
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そのせいで午後の予定の関節鏡手術は延期してもらった。
午後は、予定の去勢、5歳競走馬。
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別に忙しくもキツくもないよ。
相棒と散歩する時間はあったんだし、